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2004年度新庄ツアー報告


2004年度の新庄ツアーは、雨の降る新宿を出発し、始まりました。
スタッフ12名、参加者17名は深夜のバスに乗り込み、農家さんのいる新庄を目指します。
ここでは、参加者の声をまじえながら、2004年度のツアーについて振り返ります。

 

田の草取り1日目

小雨の降る新庄に到着した私たちを出迎えてくれたのは、新庄ののどかな田園風景と元気な農家さんたち。スタッフは昼食用に、新庄の在来米「さわのはな」でオムスビを作ります。ネットワーク農園の高橋さんより、「さわのはな」の特徴と草取りの極意を教わります。「コシヒカリ」などのブランド米が主流の市場において、「さわのはな」の等級は下がってしまうそう。しかし、味は申し分ないし、「さわのはな」は新庄の気候でこそ良く育つ在来種。生物多様性の観点からも私たちは守り育てていかねばなりません。
裸足で田んぼに入った私たちは、早速草取りに取り掛かるのですが、雑草と苗の見分けがなかなかつきません。さすが農家さんは速い速い。私たちも農家さんを習い、試行錯誤しながら草を抜いていきます。抜いた草は田の土の中に埋めてしまいます。なんでも、土中で発酵して肥料になるんだそう。



「初めての田んぼは虫とか気持ち悪いのも吹っ飛ばして、すごく楽しかったです」

とは参加者の女性の声。田んぼはお米の育つ地であると同時に、多くの生き物の命を支えているのですね。初めての体験に新鮮な感動を覚えた人も多かったみたいです。
一方で有機農家さんはこの草取りを日課としているのだから、苦労も多いです。

「有機栽培で作物を栽培することは大変だと思うけれど、それ以上に得るものは大きいのではないかと感じています。」(ハチ)

「今回は改めて、農業って大変なんだなぁ、さらに有機だともっと手間がかかるんだなぁ、と感じました」(匿名)


このように、草取りをして改めて有機農業の苦労や意義深さに気付いたという参加者もいました。


班別企画

昼食後は二つの班に分かれての企画となりました。
A.大豆ワークショップ・バイオマスセンター企画班(ワークショップと施設見学)
B.県立農業者大学校企画班(学生とのディスカッション)

A班は、農家さんを交えて大豆に関するワークショップを行いました。日本の大豆の自給率の低さ(3%)や遺伝子組み換え大豆の問題、「遺伝子組み換えでない」という商品表示のからくり(遺伝子組み換え大豆の混入が5%以下なら「遺伝子組み換えでない」と表示できる)等の発表を受けて、グループでディスカッションします。ネットワーク農園では、大豆を有機栽培していて、その大豆から作った豆腐や豆乳と、市販の豆腐・豆乳を食べ比べました。

 

B班は、県立農業者大学校の学生さんと、農業に関するディスカッションをしました。・参加者の皆さんは新庄で農業を学んでいる青年との交流を通して、農業をより身近に感じることができたようです。

「農業大学校の学生さんとの交流では、農業を別の視点から見ること、地域の若者にも農業 を担う人がまだいるのだということを知りました」(ハチ)

「 農大の学生と交流会で語り合えたのは最高の経験でした」(スタッフ)


 

郷土料理体験

若鮎温泉で体を休めた後は、新庄の郷土料理体験です。新庄のお母さんたちに教えていただきながら、みず汁、煮物、ぜんまい炒り、サラダ、みずたたきの5品を作りました。はじめて見る食材に戸惑いながらも、和やかな雰囲気で料理スタートです。


作業すること2時間余り、とうとう完成です。


みんな新庄の味の虜なっていたようで、箸がすすみます。

「食事も大変美味しく、ついつい食べ過ぎてしまいました」(匿名)
「 台所の喧騒は、落ち着けると気づいた」(匿名)
「ご飯もおいしかったし(いつもの2倍食べてました)」(ハチ)

新鮮な食材を活かした新庄ならではの料理、忘れられない味です。ごちそうさまでした!

 

交流会

夜は農家さんと参加者が思う存分語り合う交流会を行いました。途中から農業者大学校の学生さんも飛び入りで参加し、賑やかな宴となりました。

くじ引きで班に別れ、それぞれテーマを設定してディスカッションします。そして判毎に話し合ったことを発表しました。班の個性がでたユーモアな発表となり、笑い声も。参加者にとっては、有機農業に取り組む意識の高い農家さんの本音を聞く絶好のチャンスとなりました。将来農業を目指す参加者は、就農に関してアドバイスをもらったりもしていました



「初めて農家の方と語り合うという初めてだらけで色々カルチャーショックでしたを受けました。何より、明るく気さくで優しくて力強い農家の方々の姿が印象に残っています。田んぼに対しても人間に対しても愛情をもって接している生き方にホレました」(匿名)

「思っていた以上にユーモア溢れる農家さんで私はとっても安心しました。山形の方言で会話してくれて、親しみを感じられた」(匿名)

「 ネットワーク農園の方々に大変刺激を受け得る物も多くありました。また農園の方々にとっても実際に都会の生の消費者に接する機会として価値のあるものになっているのではないでしょうか」(スタッフ)

 

田の草取り2日目

草取りのコツをつかんできた2日目は、ペースも早く余裕を持って作業できたようです。


 

閉会式

農家のお母さん達が作ってくださった昼食を頂きました。新庄の野菜と料理の知恵を活かした献立で、新庄の豊かな食文化に触れることができました。


出発の前には、お世話になった農家さんやお母さんからお言葉を頂きました。たった2日間でしたが、参加者は、有機農業に取り組む農家さんと直に交流ができて、得るものも大きかったのではないでしょうか。

「食べ物もがあふれているというけど、本当に食べられるものは少ない。食べられるものにアクセスする難しさは、むしろ今の方が難しいのかもしれない。その言葉に感銘です。今、自分たちのおかれている環境は昔と変わっていない。そう思うと都会で生きる人が、そういった昔と変わらぬ感覚で生きていくことが、社会をよりよくするのではないかと思いました。」(匿名)

「 作る人、食べる人が、接点を持ち、そして、私たち消費者がもっと農業、食について知る必要があると感じました」(匿名)

「 農家の方々にとって厳しい現実社会があるにもかかわらず、とても元気に頑張っている姿に励まされました。そして、農作業を素人にさせてくれる懐の大きさに感謝しています」(匿名)

「 ツアー以外でも、もっと話しあうことが必要だと思います。都会の青年のためにも、新庄の農家さんのためにもなる方向性をぜひ話し合っていきたいです。よろしくお願いします」(スタッフ)


(文責 金子 裕美)

 

 

 

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