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遺伝子組み換え不使用表示「ビーンくん」 (1999年〜2001年)

遺伝子組み換え食品は2001年4月から表示が義務化されましたが、流通が始まった当初は表示はまったく行われていませんでした。

遺伝子組み換え食品の賛否は置いておいても少なくとも消費者の選択権は確保してほしい!との考えから、自分たちで作った「遺伝子組み換え食品不使用」のマーク(ビーン君:右参照)を普及させる活動を開始しました。

本当は「遺伝子組換え食品使用」との表示も行いたかったのですが、マイナスイメージになる「使用」のマークをおいてくれるところはないだろうということで、「不使用」マークを先行させることにしました。

まず、ターゲットにしたのは私たちに身近な大学生協の食堂でした。JAS法により遺伝子組み換え食品への表示が義務化されても、食堂やレストランなどでの表示は行われません。苦労のかいあって現在のところ早稲田大学と東京大学の生協食堂で、ビーン君を使った遺伝子組み換え食品の表示が行われるようになりました。朝日新聞をはじめとする様々な新聞に取り上げていただきました。(朝日新聞、環境新聞、日本農業新聞、日本消費経済新聞、生協流通新聞)  
これからもさらにビーン君の拡大を目指しています。また、ビーン君を置いてくれる食堂や、自分の大学でビーン君を普及したい!という方も募集しています。ぜひご連絡ください。


ビーン君前史

なぜ私たちは遺伝子組み換え食品の表示を求めるのか? 消費者の声の高まりを受けて遺伝子組み換え食品(GMO)は二○○一年四月から表示が義務化されることになりました。しかし、遺伝子組み換え食品の表示はおよそ三十品目(食用油や、しょうゆ・ミソは含まれていない)に限定されているうえ、飲食店での表示義務はなく、とても不十分なものです。
 
遺伝子組み換え食品に関しては、様々な問題点が指摘されています。長期的な安全性の問題、環境への影響、種子の多国籍企業による独占。さらに最近出た研究結果によると、少なくともアメリカにおいては遺伝子組み換え作物が収量を低下させ農薬の使用量も減少していない(週刊金曜日六月九日号「遺伝子組み換えで収量が落ち農薬使用量が増える」)とのことです。もし表示がされなければ、私たちはこのような遺伝子組み換え食品をなるべく避けるようにすることもできません。消費者の選択権を確保するという意味で遺伝子組み換え食品の表示は不可欠なのです。
 
また、EUなどは遺伝子組み換え食品によってどのような影響が人体にもたらされるか、長期的にモニタリングするためにも表示が必要であると主張しています。遺伝子組み換え食品を摂取している個体と摂取していない個体を分析・比較する必要があるからです。このような追跡可能性(tracability)を確保する意味も遺伝子組み換え食品の表示にはあります。

そして・・・早稲田大学生協へ

私たちはこのような不十分な表示をなんとかしたい。食堂などでもきちんと遺伝子組み換え食品の表示を行って欲しいと考えました。しかし、いきなり大きな外食産業を変えるのは難しいことです。私たちは大学生にとって最も身近である大学生協に遺伝子組み換え食品の不使用表示を申し入れ、食堂での表示をお願いすることにしました。「遺伝子組み換え食品不使用」という表示は決して店側に不利になるようなものではなく、簡単に表示してもらえるだろうという軽い気持ちでした。 はじめに表示の話を持ち込んだのは食農チームのメンバーが通っていた早稲田大学生協です。早稲田大学生協は、人工甘味料のアスパルテーム(ダイエット甘味料として使われています)の安全性が確定していないとして、アスパルテームを利用している食品を店舗に置いていないようなこだわりを持った生協でした。あのフリスクもアスパルテームが使われているとして置いていなかったのです。
 
担当者の方は熱心に僕たちの話を聞いてくれ、今すぐにでも表示をしましょうという感じでした。僕たちもビーン君第一号の登場に大きな期待を持ちました。

立ちはだかる障害 ?障害が多いほど 燃え上がる?

が、しかし世の中はそんなに甘くなかったわけです。まず問題になったのはどのようにして遺伝子組み換え食品を使用していないことを証明するかということでした。これは僕たちではどうしようもありません。遺伝子組み換え作物の外見は旧来のものとまったく変わらず、遺伝子組み換ええ作物でないことを証明する ためには専門的な方法によって遺伝子そのものをを分析しなくてはならないのです。もちろん零細NGOの僕たちにそんなことはできません。また、きちんと流通の過程を調べないと遺伝子組み換え作物が途中で混入してしまう危険性もあります。

もうひとつの問題は、初代のビーン君が現在のものとは異なり「NO!GMO」というハチマキをしめて、後ろにいるトウモロコシといっしょに怒っていたことです。早稲田大学では遺伝子組み換え作物の開発をしている教授や推進している教授がいるため遺伝子組み換え食品に「反対」の姿勢を打ち出すことはできないし、そもそも理事会を通らないだろうとのことでした。

どうするビーン君?

 まず僕たちはあっさりと、怒っているビーン君を笑わせることにしました。ここで突っぱねては元も子もなくなるという判断がありました。何よりもまず表示されることが重要だと考えたのです。「NO!GMO」のハチマキもとってすっかりすっきりしたビーン君。この問題はこれで解決しましたが、しかし、どのようにして遺伝子組み換え食品でないことを証明するかという問題はまだ残ったままでした。 また、僕が東京大学生協駒場支部(東京大学は駒場と本郷に二つのキャンパスがあります)に表示の話を持ち込んだところ、「本郷の本部に聞いてくれ」と言われ、本郷に聞くと「(生協の)事業連合のほうに聞いてくれ」、事業連合では「各大学生協に聞いてくれ」とたらいまわしにされた悲しい夏の日もありました。

ついに!ビーン君の登場へ  ?新たなる始まりへ向けて

 このような膠着状況がしばらく続きましたが、生協側で遺伝子組み換え食品でないことを確認する状況が整って、今年の四月からビーン君が早稲田大学生協食堂(西早稲田、戸山、大久保、所沢の四キャンパス)に登場することになりました。ポスターと卓上ポップの形で不使用表示が行われ、いくつかの食材に関して遺伝子組み換え食品が使用されていない旨書かれています。また、ガラスケースに入ったメニューのところにもビーン君シールが張られているそうです。 ビーン君は他のいくつかの大学生協でも導入しようという動きがあるようです。僕たちの地道な活動がこのようなきちんとした形の成果につながったのは大変うれしいことでした。僕たちはこれからもビーン君の拡大に努めていきたいと思います。自分たちの手で社会が少しずつ変わっていく、そんな実感が味わえた貴重な体験でした。足元から変えていこう。ビーン君を生協食堂に導入している方募集中! 遺伝子組み換え食品の表示について、疑問を持っている方。この文章を読んで疑問を感じた方。ぜひ、あなたの大学生協食堂に「ビーン君」を導入してみませんか? あなたの思いをぜひ大学生協にぶつけてください。また、大学生協に限りません。一般の飲食店や生協でもOKです。詳しいノウハウなどはお教えします。興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。

<ビーンくん表示の様子>
東京大学 駒場キャンパス 生協 早稲田大学 大久保キャンパス 理工学部

(文責 白岩 健)

 

 

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