山梨県白州町への現地調査 報告 vol. 3: JA熊本果実連とのやり取りについて

2011-01-07 | カテゴリー:現地調査報告 | キーワード:, , , ,

現地調査2日目 【JA熊本果実連とのやり取りについて】

渡辺さんと樋口さんのご自宅の近くにはJA熊本果実連の工場が建っています。地下水をめぐって工場とどのようなやりとりがあったのが、まずは渡辺さんからお聞きしました。

渡辺さんはフリーランスのライターです。十数年前に白州町に移り住み、衣食住とエネルギーをできるだけ自給ながら生活を楽しむ、「地給知足な暮らし」を送っていらっしゃいます。(渡辺さんのブログ<http://d.hatena.ne.jp/musikusanouen/>)

"地給知足"な生活を送る渡辺さん

2008年、JA熊本果実連の工場が新しい井戸から取水を始めると、近隣に住んでいる渡辺さんの井戸の水圧が下がり、蛇口から水が出てこなくなりました。仕方がなく自費で公営水道を引きましたが、しばらくすると再び水が出るようになったそうです。

「ある日突然水が出なくなる。この恐怖は体験しないとわからない。」という渡辺さんの言葉が、印象的でした。

********************************************************************************

続いてお話をお聞きしたのは、樋口さんです。

樋口さんは小説家で、十数年前に白州町に移り住みました。白州町が抱える環境や社会問題に関心を持っていて、活動もされていらっしゃいます。
(樋口さんのブログ<http://blog.alpha-hokuto.net/>)

樋口さんのご自宅から300メートルあたりの場所で工場が突然ボーリング※を始めたのは2008年でした。(※ボーリング:地質・鉱床調査などのために、地中に細く深い穴を掘ること。http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/20649016904700/

驚いた樋口さんが工場に問い合わせてみると、「予備の井戸を掘る予定」と言われ、理解を求められました。

ボーリングされた現場で樋口さんのお話を伺っている様子

企業が新しい井戸を掘る場合は、半径250メートルに井戸を持つ住民に同意書を送らなければなりません。しかし工場は、井戸を掘ってから求めると言っていました。また、北杜市の条例によれば、たとえ同意が得られなくても、市長の許可を得られれば井戸の掘削が可能なのです。
(「北杜市地下水採取の適正化に関する条例」
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/~reiki-web/reiki_honbun/ar11204931.html

工場の対応とくみ上げている水の量に不安になった樋口さんは、その土地の地権者に連絡をしました。そこで、衝撃の事実を知りました。

なんと、JA熊本果実連は地権者に「予備井戸」のことを一切話していなかったのです!実は彼ら、「地下水の調査をしたいから土地を譲ってくれ」としか地権者に伝えていませんでした。樋口さんが現状を説明をすると、地権者の方は樋口さんの不安を理解してくださり、土地の契約を破談しました。

コメント

Get Adobe Flash playerPlugin by wpburn.com wordpress themes

このページの先頭へ戻る

水はどこから来て、どこへ行くのか。
そして水がなくなるとどうなるのか。
私たち水源WATCH!プロジェクトは、
スタディツアーやシンポジウムなどを通して、
この問題への解決を目指しています。

AVEDA