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アシードジャパン「環境・社会配慮に関する地域金融機関への7の提言」
(2005年12月18日)

アシードジャパンは、日本の各地域金融機関(地銀、信金、労金)に対し、以下の提言を行っています。

1.地域社会との交流と社会的事業への積極的な支援
地域のNPO・市民団体や自治体との交流、NPOバンクとの提携・人材交流等を積極的に進めることにより、NPO・市民団体の行う社会的事業を支援すること。この支援にはNPOローンによる資金的支援、融資における金利優遇、マネジメント支援、会計支援等が含まれる:

米国では地域の実情に精通した「コミュニティー開発金融機関(CDFI)」が大手銀行からの融資を受け、その資金を地域に適した形で配分している。同様の役割が日本の地域金融機関にも一層求められる。国内での取り組みとしては、中央労働金庫の「NPO事業サポートローン」、西京銀行の「しあわせ市民バンク」、三重銀行の「Jマネー定期」等があるが、今後より多くの地域金融機関で同様の取り組みが行われることが望まれる。

2.地域住民の環境対策(環境配慮型住宅の購入や太陽光パネル設置等)への資金的支援
地域住民の環境対策投資に対する融資メニューを充実させることにより、個人レベルでの地球温暖化対策等を積極的に支援すること:

NPOバンク「未来バンク」では個人住宅の太陽光パネル設置に対する資金的支援を行い、個人の環境対策を推進している。地銀・信金等でも同様の取り組みが見られるが、LOHASに対する注目が集まる中、より積極的に支援策を打ち出すことが望まれる。

3.ネガティブ・スクリーニングの導入
土壌汚染、水質悪化等の環境への悪影響が懸念される事業や非効率的な公共事業に資金が流れないために、法律による規制を越える水準のネガティブ・スクリーニングを導入すること:

日本では2003年2月の土壌汚染対策法施行の直後、滋賀銀行が土壌汚染区域に指定された既存の担保の土地評価額をゼロにすると決めたが、こうした取り組みを一歩進めたネガティブ・スクリーニングの導入が求められる。英国のCWS(Cooperative Wholesale Society:生協)の銀行子会社であるThe Cooperative Bankは1992年に倫理政策を策定し、その中で化石燃料の加工を中心とする企業や化粧品開発のための動物実験を行う企業への融資を行わないというネガティブ・スクリーニング基準を謳っている。

4.国連環境計画(UNEP)の「環境と持続可能な発展に関する金融機関声明」への署名
国連環境計画(UNEP)の「環境と持続可能な発展に関する金融機関声明」に署名し、環境政策宣言を作成・公表するとともに、環境管理システムを導入すること;

「環境と持続可能な発展に関する金融機関声明」とは、国連環境計画(UNEP)が1992年にスタートさせた銀行、証券、保険など金融機関の環境・社会配慮行動のイニシアティブ。200以上の企業が署名しており、日本では三井住友、東京三菱などが署名している、みずほは検討中とのことであり、早急に署名することが望まれる。法的拘束力はないが、環境・社会配慮行動に関する方針を発表し、定期的に評価を行い、報告することが求められる。

5.融資したエネルギー関連事業の温室効果ガス排出量の公表
エネルギー関連事業のポートフォリオにおける温室効果ガスの排出量の削減目標を掲げ、毎年、排出量を公表すること:

温室効果ガスを2008年から2012年まで先進国全体で1990年比5.2%削減を目指した京都議定書の目標数値を達成するためには、金融機関の取り組みが不可欠である。なお、アメリカの民間銀行「バンクオブアメリカ」はエネルギー関連で融資したプロジェクトすべてが排出する温室効果ガスを測定し、7%削減することを公表している。

6.自然エネルギー関連事業への融資目標の設定およびその達成状況の公表
自然エネルギー(太陽光、風力、小規模水力、バイオマス、地熱など)関連事業への融資目標を掲げ、達成状況を毎年公表すること:

温室効果ガスを削減するためには、高効率なエネルギー転換が不可欠で、世界的にも自然エネルギーの供給量は激増している。ちなみにシティバンクは、現段階で融資目標はないものの再生可能エネルギー関連投資のファンドを設け、家庭用太陽光パネル、風力発電、燃料電池設置のプログラムを用意している。

7.環境・社会配慮に関する取り組み等の公表:
環境・社会配慮に関する取り組みと外部ステイクホルダー(預金者、投資家等)からの意見、及びその意見の意思決定への反映状況を環境報告書等で毎年公表すること:

環境報告書は、ただ発行するだけでは意味がなく、外部とのコミュニケーションによって自らの事業を改善することが重要である。したがって、自らにとって不利益な情報でも公開することが必要である。

【参考資料】

EED JAPANによる金融CSR分類表
内部資料として、金融機関が持つべきと考える法令順守、本業における取組み、本業以外における取組みについて、ステイクホルダー別にまとめたもの。
 >>銀行のCSR一覧表 (EXCEL 31.5KB)

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