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う〜ん、さすが!大金をポンッと出せる有名人はやっぱスゴイ!と感じる一方で、こんな大金を提示されると自分の出せる金額と比較してしまって、なんとなく出しにくくなってしまってる人が、もしかしたらいるんじゃないだろうか?

しかし例えば、あなたが今日のランチ代、例えば500円を寄付した。それを例えば今日ランチを食べる日本人みんながそうする。
(日本人の総人口約1億3千万人、うち15歳以上が86%で今日ランチを食べる人を5000万人と勝手に仮定 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2003np/index.htmより)

するとどうだろう、250億円もの寄付が可能となる!
シュー・マッハの10億円軽く超えてます。これってすごい。

「なんで関係ない国のためにオレの昼飯代出さなきゃいけないんだよ」って人には、是非知ってもらいたい事実が以下の座談会に詰ってます。それと、「自分とは関係ない問題!」って思っているものも、まわりまわって全て繋がってるもんです。
あなたのその行動一つが貧しい人々を生んでることだってなきにしもあらず、そして同時にその行動ひとつで誰かを幸せにできる。

何はともあれ、あなたのランチ代一食分、寄付してみませんか?
それで社会が確実に少し良くなるんです。
 
   
   
  TOMO    
     
   
  A SEED JAPAN座談会
「スマトラ地震・津波災害支援を考える」

2004年12月26日に起きた前代未聞の天災で、17万5千人以上の死者、百万人を超える被災者が出た。連日報道される、増え続ける死者の数、家や仕事をなくし生活基盤を失った人々、不足している医療や食料、武装背力の圧力でなかなか届かない支援物資…。被災地が海外だということと、被害の規模が余りにも大きいことで、何かしたくても、どう動いたらいいのか具体的に見えてこない平和な日本の私達。
「何かしたい!」
と思っている人は多いいはず。このエネルギーがなくならない内に、具体的に行動できるようにしたい。この思いをもって、A SEED JAPANは個人レベルで何ができるのかをアジア太平洋資料センターPARCに話を伺った。

【座談会メンバー】
亮(エコカルチーム)
葉子(エコカルチーム)
さとこ(ASJ事務局)
普川さん(PARC事務局)
遠藤さん(PARC・スリランカプロジェクト担当)

【1】今、何が問題なのか?

■災害支援と復興支援

葉子:今日はお忙しいところ有り難うございます。日本では何かしたいけど、何をしていいか分からない人がたくさんいると思います。今現地では何が求められているのでしょうか?
 
普川さん:必要な支援には、大きく分けて緊急性の高い災害支援と長期的な復興支援があります。

葉子:災害支援と復興支援は、具体的にどう違うのでしょう?

普川さん:災害支援は食料とか医療とか、今すぐ必要な人命に関わる支援のことです。
今現地の社会基盤が混乱しています。地震の被害が広域すぎて、現地ではトラックよりもヘリが効率的です。 現地の状況に詳しい現地のNGOとしてはヘリで支援を運びたいのですが、実際そこまでの規模がある団体は多くありません。広域な地震の被災地を一刻も早くカバーするためには、優先すべきは大規模な組織的行動であって、国際的に実績のある団体でも現状は十分とはいえません。集められたNGOへの募金は、このように必要な物資を買ったりすることに活用されます。
被災地の中には、道路が寸断されていたり地雷が散らばっていたり、武装勢力に支配された地域もあります。そういう中で、弱者には特に支援が届きません。NGOが彼等に支援するのに、資金が必要です。そのために日本の私達にできることは、やはり資金援助、つまり寄付です。

亮:地震が起こったときに、PARCの調査団はまさに現地の海の上だったんですよね?

遠藤さん:スリランカ北部の漁村を訪ねて現地にいましたが、幸い津波が襲った側でない海の上にいました。
でも気付かなかったんです…笑。

全員:えっ………???

普川さん:ほっ、本当に危なかったよね笑!!
支援は、短期的な食料配付や医療援助だけではありません。その後の、現地の人たちの生活基盤の再建支援を忘れてはならないのです。


■ 支援を真に必要とする人へ

葉子:発展途上国の支援金の使われ方が疎かになってしまっている事は問題ですね。

普川さん:莫大なお金が動くのだから、被災地の真の復興のために使われなければいけません。つまり、復興支援を被災地が自立できるように、使われなければなりません。

葉子:例えばどういうことですか?

普川さん:皮肉ないい例があります。2002年に起きたモザンビーク洪水では日本政府は今回のスマトラ沖地震のおよそ6分の1の30億円ほどの無償援助を約束しました。その内訳は農薬、化学肥料、大型農機具など。これは日本の企業の利益のためで、現地の人の役にたっていないため真の復興支援とはいえない。私達はこれから先も、支援金がどのように使われるのか、十分モニターしていく必要があります。このように、一言に『支援』といっても、掘り下げて考慮できることはたくさんあります。


【2】いろいろな問題

■「南」と「北」の被害の質の違い
普川さん:緊急支援だけではなく、復興支援としてこれから日本ができることはたくさんあります。災害では弱者に一番しわ寄せがいきます。食料支援などの緊急支援も大切ですが、「経済格差」を生み出す経済構造を是正できるような復興支援が必要です。

葉子:「ケ・イ・ザ・イ…????」

普川さん:「経済格差」。慣れない言葉ですね。経済格差とは、アメリカや日本などの経済的に豊かな国と、アフリカ、中南米、東南アジア等発展途上国の、生活水準の差です。 災害が起ると、生活水準の低い弱者が1番の被害者になるのです。 そして、今回の津波の被害者もその多くが経済格差の弱者なのです。

葉子:うそっ?な、なんで??!

普川さん:沿岸の住居地の値段は都市に住む値段と比べてとても安いんです。途上国の多くの弱者は安い値段の沿岸に住まなければいけないのが現実です。安い沿岸地域に住まざるおえない。そして今回津波が襲い、沿岸部の住居を奪った。
まさに今回の津波の被害者の多くが経済の弱者というのは、経済格差を象徴した問題です。この経済格差の問題は、「南北問題」という言葉でも表現されてます。そして、日本はこの「南北問題」の構造に大きく加担しています。これは天災ですが、経済構造がもっと公正であれば、こんなにも多くの被害者は出なかったはずなんです。

葉子:日本、私たちの生活がこういう弱者を作って、今回の被害者を作った…。なんか息苦しくなってきたかも…。

普川さん:新潟中越地震は被災地の人々に大きな被害をもたらしましたね。 でもここで少し視点を変えて考えたいのは、『南北』の差です。新潟中越地震は日本という比較的みんなが平等な経済システムの中で、みんなで力を合わせる事が出来ました。しかし、今回のスマトラ沖地震での被災者の多くは発展途上国の人々であり、その人たちの生活基盤は元々非常に不安定なのです。その人たちに災害が起り、生活は困難を極めています。生活は崩壊され、今後の見通しもたっていません。


■自衛隊かNGOか?

亮:今回、小泉首相が即決で支援を表明したけど、そのお金が何に使われるかが大事、という話は本当に重要ですね。しかし費用の多くは自衛隊に使われるのでしょうか?

普川さん:災害支援に軍が行くのがいいかどうかは、ちゃんと考えないと。一番いい方法はなんなのか、オルタナティブは無いのか?という議論をどんなに緊急でもちゃんと決めてから行かなければならない。それでもやはり軍が必要というならそうするべきだし、大きなNGOだけでなく、小さなNGOや民間の力を生かす道を探るべきということ。しかし、自衛隊が法律的にグレーなままどんどん派遣して、既成事実をつくることで合憲化しようという政治的思惑があることにごまかされてはダメでしょう。

葉子:市民はNGOの動きを知らない、知れないのが現状だと思います。何がいい事なのか、判断が狭くなっちゃう。何かいい情報発信のあり方が無いかな?

亮:ヨーロッパでは1月5日に、EU加盟国25カ国で4億5000万人が、正午の鐘の音ととも に3分間のサイレンスをもって、亡くなった人とこれから生きてゆく人々のための祈りを捧げたらしい。ラジオやテレビも沈黙して、交通機関なんかも止まったらしいよ。社会全体として、こういう事をすることが、「社会的な合意」としてちゃんとあるってことだよね。どうしたら、日本でもそういう事ができるだろう?少なくとも、パフォーマンスとして自衛隊が真っ先に行くのを「仕方ないよね」と思うのではなくてさ。


■骨太メディアがいない?

亮:本当にテレビや雑誌は中身の無い情報が溢れていますよね。災害に関しても「悲惨さ」や「美談」に偏りすぎだと思います。

普川さん:それが「かわいそう」という一過性の感情になってしまわないで、継続してみてゆかないとね。例えば海外からのODA(政府開発援助)によってうまれた債務についても、今後いかに削減してゆけるかが大事だけど、一部のNGOしか理解できていないから。本当にじっくりNGOに質問してくる記者がいなくて。}


■軍による制約

葉子:何かしたい、と思うだけでは支援が届かないんですね。支援が本当に必要な人に届いて欲しい。そのためにはどうしたらいいのでしょう?

普川さん:途上国で軍が支配する地域は本当に汚職がまかり通っていて、支援が届かない、仮に届いても軍に利用されたりする。途上国の貧困問題の根本解決のためには、避けて通れない問題です。

亮:一つにはそれぞれの国の市民、NGO、メディアの頑張りが不可欠、ということだと思いますが、もう一つは、「政治的思惑に気づこう」という視点が大事なんだと思います。人道援助にしても、日本の国連常任理事国入りの票集めだとか、自衛隊の海外派遣を合憲化するための実績作りだとか、アメリカやアジアとの関係作りだとか、様々な政治的思惑がある中で、本当に最終的なしわ寄せは遠い国の貧困層に行ってますよね。見えにくい形で社会的に弱い立場の人たちに行ってしまっているということに気づけるような、教育だったりメディアのあり方、政治やNGOのあり方が不可欠ですが、社会の現状としてあまりに無関心がハビコっている状態なのかなぁ、と思います。

座談会全文はコチラ>>

【参考】 特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(通称PARC:パルク)
PARCは南と北の人びとが対等・平等に生きることのできるオルタナティブな(今のようでない、もうひとつの)社会をつくることをめざしています。
世界からの情報の収集や発信、研究、自由学校を中心とした教育、さまざまな講演会やワークショップ、政府や国際機関への政策提言活動など多様な市民活動を行っています。
また、自分が変わることで日本の社会が変わり、南の人びとと共に生きていける社会ができると考えています。世界の多様な人びとと国境を越えて出会い、考えや視野を広げるようエンパワーしあい、ネットワークを広げるための媒介役となることをめざしています。
PARC公式サイト  http://www.parc-jp.org/

 
         
         


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