ホーム >エコ就職とは?>農業・林業・水産業で働く
最終更新日

キーワードを入力




エコ就職ナビを一緒に創っていきませんか?


 
 
 
農業・林業・水産業で働く
〜地域から環境保全を実践する〜
   

■「エコ就職」と農業・林業・水産業



 食卓に野菜や穀物を提供してくれる農業。お魚を提供してくれる漁業。家や家具、紙などを提供してくれる林業。一次産業は、自然の恵みを活かして、私たちの暮らしに必要不可欠な資源を提供してくれる、縁の下の力持ちです。


 しかし、 日本の一次産業はとても難しい状況にあります。食糧の自給率は約4割、林産資源の自給率は約2割(!)。農林産業で働く人々は日本の総労働人口の4%に過ぎません。*


 私たちの暮らしは、海外の一次産業に支えられているわけです。


   *厚生省,2004「地域別新産業分類による就業者数」(推計値)


 そして、現在の主流の一次産業は持続可能なものではありません。

 近代農業は大量の農薬と化学肥料、そして化石燃料に依存しており、しばしば土壌汚染や健康への悪影響、気候変動への影響を引き起こしています。化学飼料を使用する養殖も、稚魚から根こそぎ捕ってしまう収奪的な漁業も、多くの海域で水質汚染や水産資源の減少を招いています。大規模な天然林伐採などの持続可能でない林業は、土壌の流出を招き、生態系を破壊しています。


 では、農林水産業に「エコ就職」の可能性はないのでしょうか? いいえ、実際には「エコ就職」の可能性は大いにあります。


 自然の恵みがあってこその仕事、未来のために自然の恵みを残さなければ。そんな長期的なビジョンを持つ人々。自然の恵みを壊さない、自然の恵みを育む農業・林業・漁業を模索し、実践する人々がいるのです。


■「エコ就職」としての農業・林業・水産業


□有機農業に取り組む



 有機農業に関する定義はいろいろありますが、基本的には化学肥料と農薬を使わない農業を指します。自然の循環を活かす農法で環境保全に貢献するとともに、農村部に雇用を生み出すことで地域経済の活性化にも貢献します。海外から輸入する農作物を代替することで、間接的にエネルギー消費の削減や海外における環境保全にも寄与します。


 日本国内で採れた農作物のうち、有機JAS認証を受けた農作物の割合は0.1%とまだまだ少ないのが現状です。それでも、2001年には千軒に満たなかったJAS認定取得農家は、2003年時点で4千軒以上へと急増しています。新しく農業を始める人=新規就農者も年々増加しています。


・新規就農相談センター
http://www.nca.or.jp/Be-farmer/


その名のとおり、新しく農業を始める人のための相談センターが作成しているサイト。センターには実際に相談できるカウンターもあります。入門から実践まで、情報満載です。


※エコ就職の体験談

白石好孝氏(農業、体験農園「風のがっこう」運営)都市農業を通 して地域を創る

田畑健氏(鴨川和綿農園代表)和綿と私


□林業で森林保全に貢献する


 日本は世界最大の熱帯材輸入国である一方、実際には国土の7割を森林で覆われる、緑被率は世界で2番目という森林国でもあります。現在、日本の林産資源の自給率は約2割。つまり私たちは、日本の森林を活用せず、多くの紙や木材を輸入材に頼っているのです。


 そして、グリーンピース、熱帯林行動ネットワーク、FoEなどの環境NGOが主張しているように、輸入される木材の中には、違法性が疑われるもの、原生林の伐採によるものや、地域住民の生活を破壊するものが多く含まれています。(詳細は下記にあげたNGOのウェブサイトをご参照ください)


 実際には、林業は適切な管理の下では森林保全に貢献しうる産業です。国際的には、持続可能な林業管理の下で生産された木材の認証制度が発達しています。(FSC認証が代表的なものです)


 また、国内には、実際には間伐など人間の手を入れなければむしろだめになってしまう人工林も多く存在します。認証材や国内材の使用を推進する仕事には、海外の森林破壊を止め、国内の森林の保全を進めるための「エコ就職」の可能性があります。


(日本社会と森林破壊)
・グリーンピース・ジャパン 森林問題ホーム
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/forests/


・熱帯林行動ネットワーク
http://www.jca.apc.org/jatan/


・FoE JAPAN 森林プログラム
http://www.foejapan.org/forest/index.html



(持続可能な林業)
・WWF SFC認証について
http://www.wwf.or.jp/forest/aboutfsc.htm


(就職情報)
・農林業等就職相談コーナー
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/anteikyoku/chihou_idou/sien03-1.htm



※エコ就職の体験談

中川幹太さん(かみえちご山里ファン倶楽部勤務)エネルギー問題から地域創りへ


□持続可能な漁業


 日本は世界最大の水産物の輸入国でもあります。そして、私たちの食卓にのぼる魚介類は、海外での環境破壊とのつながっていることも事実です。


 例えば、やはり日本が世界一の消費国である、エビ。稚魚までとってしまう収奪的な漁業によってエビをとることが難しくなると、養殖が行われてきました。しかし、集約的な養殖池は、マングローブ林を破壊し、抗生物質や人工のエサの使用によって環境劣化を引き起こしてきました。


 こうした反省に基づき、環境を保全しながら、伝統的な粗放によってエビを養殖しようとする試みが、フェアトレード会社によって始められています。


・オルタートレード エコシュリンプ
http://www.altertrade.co.jp/pages/ebi_2.html