ジャビルカ開発問題
最終更新日
概要
1998年より、先住民族アボリジニーの土地ジャビルカにおいて、日本の電力会社も出資するウラン開発が進展した。住民の反対を押し切った計画遂行による先住民族の権利侵害、ウラン採掘時の土壌汚染などが問題視されている。
場所
オーストラリア北部カカドゥ国立公園の中のジャビルカ地区。(世界遺産に登録されているカカドゥの中にあるが、ジャビルカは指定地区から外されている)
開発主体
鉱山の親会社であるリオティント社、子会社エナジー・リソーシズ・オーストラリア社(ERA)、日豪ウラン資源開発株式会社(関電50%、九電25%、四電15%、伊藤忠10%の出資で設立された会社)。日豪ウランはERAの株式の10%を保有。
経緯
ジャビルカの恒久土地権を持つ先住民族アボリジニーのミラル・グンジェーミ氏族共同体、および環境保護団体は開発に絶対反対。一方オーストラリア連邦政府は1997年に開発を許可した。1998年世界遺産委員会京都会議は工事停止を勧告。2001年にリオティント社は「開発の10年凍結」を表明し、開発は実質凍結状態にある。現在、北部土地評議会(※)と、ERA、北部準州政府の間で今後について協議中である。ミラル共同体は、開発計画の完全廃棄とともに、(1)ジャビルカの原状復元(採掘坑道の埋め戻し、機材撤収、地元樹種による植林で環境復元、坑道工事で発生した放射能汚染水を溜めているダムの完全撤去)、および(2)鉱区の土地を全面 返還してカカドゥ国立公園に編入することの2点を、リオティント社に要求している。

※北部土地評議会…オーストラリア先住民の土地権に関わる問題を扱う公的機関
問題点
・世界遺産に登録された国立公園内にあり、隣接する場所にラムサール条約指定の保全湿地がある。鉱山操業が始まれば、この湿地が放射能汚染される。(ここは日本の諌早干潟などと往復するシギやチドリの生息域でもある)

・先住民の意思を無視した開発決定は、93年に認められた先住民の土地権利を侵害している。

・主坑道が地下のウラン鉱脈に到達しており、坑道からの排水をためるダムはすでに放射能汚染されており、雨季の豪雨によって汚染水があふれる可能性がある。

・産出されるウランの供給先は主に日本の電力会社。日本企業の絡む開発を契機に、アジアへの原発輸出を促すことを懸念する声がある。
出典

ジャビルカ通 信 
http://savekakadu.org/


細川弘明「豪州ウラン開発問題と日本の関わり」『環境雑学マガジン』
http://www.kyoto-seika.ac.jp/jinbun/kankyo/magazine/magazine_040.html

調査日:2003年6月28日

 
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