小丸川揚水発電所建設問題
最終更新日
概要
小丸川はすでに4基のダムによって寸断されている川であるが、揚水発電所計画が予定されている。その周辺には環境庁レッドリスト掲載の絶滅危惧種の生息地であり、クマタカの営巣地でもある。植物群落レッドデータ・ブックに指定されているコウヤマキも群生している。地域住民・自然保護団体は、この計画が環境に与える影響を懸念している。
場所
宮崎県木城町石河内
経緯
宮崎県内の小丸川にはすでに4基のダム(宮崎県2基、九州電力2基)によって寸断されている。発電所計画地は自然が豊かなところであり、クマタカの営巣と繁殖も確認されている。下部ダム池建設地の一部は尾鈴県立自然公園でもある。これにより水没の危機にさらされているのが環境庁レッドリスト掲載の絶滅危惧種ウバタケニンジンやキバナノホトトギスである。その他にもサクラバハンノキ群落や小丸川にしかないヒメツルキジムシロが被害を受けることになる。また、上部ダム建設に伴って伐採が予定されているコウヤマキ群落がある。大瀬内谷のコウヤマキ群落は、1996年4月に(財)日本自然保護協会・(財)世界自然保護基金日本委員会が発行した「植物群落レッドデータ・ブック」において、最上位 の「ランク4:緊急に保護対策が必要」と位置付けられている。一部、移植するとしているが、開発前提の行為であるといわれている。しかし現在、土木工事の50%が完了している状況である(平成15年3月末現在。平成19年運転開始)。
問題点

揚水発電所は、発電単価が非常に高く、無駄 が多いといわれており、「電気力発電所」とも言われている。企業側はクマタカの生息地について、「生態系に大きな影響を与えないように万全を期している」としているが、クマタカ以外にも「緊急に保護が必要」なコウヤマキ群生や、ウバタケニンジンやキバナノホトトギス、ヒメツルキジムシロにも被害が及ぶ事が予想される。

出典

小丸川揚水発電処・巨大送電線問題を考える
http://www.mnet.ne.jp/~aokys/yousui/yousui-file/omarugawa2.html

揚水発電所計画地に絶滅危惧植物
http://www.mnet.ne.jp/~aokys/yousui/yousui-file/zetumetukigu.html

調査日:2003年8月16日

 
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