Section 5 “あがり”防止対策について

プレゼンテーションを行なう場合、プレッシャーがかかり、あがってしまうものです。これは、極めて当り前の現象です。例えば、プロのアナウンサーでさえ も、脈拍数を測定してみると、本番中は緊張してあがっているそうです。だから、「あがらないためにはどうすれば良いんだろう?」と、なやむのではなく、 「あがるのは当然なんだ。でも、あがってもプレゼンテーションをなんとかうまくやろう」と、考えた方がよいでしょう。

あがりの対策は3段階にわけることができます。それは、「準備段階」、「プレゼンテーションの直前」、そして「プレゼンテーションの最中」です。それぞれの防止策は以下の通りです。

1) 準備段階

「あがってもプレゼンテーションを何とかこなす」ためには、事前の準備を十分にすることと、何度かリハーサルをすることが対策として考えられます。

十分な事前準備

そのプレゼンテーションの目的は明確ですか?
対象の分析ができていますか?
終わりの言葉を用意していますか?
使う道具の準備はOKですか?

など、準備をする際は三つのPの原則を振り返ってみるとよいでしょう。
「やるべきことはすべてやったんだ!」という状態にもっていくことで、かなり気分は楽にな ります。

念入りなリハーサル

プレゼンテーションを成功させるためには、リハーサルは絶対必要です。自分一人で、ぼそぼそとやるだけではなく、第三者に見てもらいながら、実際に道具を 使いながらやると、本番の時にあせらずに済みます。その際、どれくらい時間がかかったのかを計っておきましょう。また、あらかじめ「こんな質問が出るか な?」ということを予測して、答えられるようにしておきましょう。

2) プレゼンテーション直前

大きく深呼吸してみましょう。そうすればかなり落ち着けるものです。息を吸いながら「私は大丈夫だ」と心の中で繰り返し唱え、吐く時は頭を真っ白にするといいそうです。
また、体中の硬くなった筋肉をほぐすために、軽く体操をするのも効果的です。「体の緊張は心の緊張」という言葉もあります。

3) プレゼンテーション最中

プレゼンテーション中は前後左右に動いたり、聞き手の中の好意的な人とアイコンタクトをしたりしてみて下さい。何の道具も持たずに話だけで人を引きつけることはなかなか難しくても、道具(ビデオ、OHPなど)を使うと少し楽になります。休憩にもなりますしね。
また、間をおいたり、人に話を振ってみたり(「あなたはどう思います?」という具合に聞き手に聞く)、「いやあ、今日は僕もあがってるんですよ」などと 言ってしまうなど、少しリラックスするようにしてみるのもいいでしょう。自信が取り戻せたら普段のように話せるはずです。

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