終戦記念日直前 原爆の日緊急セミナー あなたの銀行と非人道兵器の関係を探る

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こんにちは。事務局スタッフの富田です。

8月9日の夜、「終戦記念日直前 原爆の日緊急セミナー あなたの銀行と非人道兵器の関係を探る」を開催しました。

日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)、NGO非戦ネット、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、アジア太平洋資料センター(PARC)の協力を得て、クリエイティブone秋葉原ビル8Fのラーニング・カフェにて実施されました。

このセミナーの目的は8/5(金)にFair Finance Guide Japanを運営するA SEED JAPAN、PARC、JACSESが共同発表した調査報告書「大手金融機関と『死の商人』のつながり!? ~非人道的兵器への投融資実態~」(http://fairfinance.jp/news/2016/20160805/)の内容をより多くの方にお伝えすることです。

そして、みなさまと協力しながら銀行の投融資方針やお金の流れを変え、よりFairな社会を実現することを目指しています。

核実験を通してまき散らされる大量の放射性物質や、戦争における非人道兵器の使用は、豊かな自然環境や生物多様性を破壊するという意味で最大の環境破壊といえますが、そのような兵器の開発製造に自分の預金が使われている事は多くの人の想像が及ばないことかもしれません。

私たちの預金の一部がどんな事業に使われているか、それがどんな悲劇を引き起こしているのか、そしてそのお金の流れを変えるために何ができるのかを語り合う場を設けました。

 

プログラムの内容としては、まず初めに、JIM-NET事務局長の佐藤真紀氏が民間人、とりわけ子供が大きな被害を受けている非人道的兵器(クラスター爆弾や劣化ウラン弾等)の使用実態について説明しました。

非人道兵器の仕組みや主にイラクでの内戦の経緯と現状、そして被害を受けた人々(具体例として、劣化ウラン弾による被ばくの結果、癌が原因となって亡くなってしまった子供等)に対するNGOの支援活動や非人道兵器への反対運動等の解説がありました。

現地で活動するNGOだからこそ伝えることのできる悲惨な現地の状況とNGOの活動による国際世論の変化の因果関係が臨場感をもって伝わりました。

 

次に、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の田辺有輝氏がFair Finance Guide Japanの紹介をしました。

どのような基準で銀行の融資方針を評価しているかとともに、非人道兵器を禁止している国際条約や国内大手銀行から非人道兵器製造企業へとお金が流れる仕組み、そして銀行に対する評価について具体的な説明がありました。

さらに先日公表された年金積立金管理運用(GPIF)から非人道兵器製造企業へ巨額の投融資が行われていた実態も明らかにされました。

Fair Finance Guide Japanの活動を続ける中で、実際に銀行側も融資方針の変更を始めております。(詳しくは、こちらをご覧ください。)

続いて、登壇者お二方への質疑応答の時間を取りました。

銀行への評価に使用する投融資情報の入手方法等の質問に対して、田辺氏より、企業が発行している有価証券報告書等を情報元とした分析を行っているという回答がありました。

 

 

最後に、グループトークとして、参加者の方々を含めて、非人道的兵器の製造にも使われている私たちのお金の流れについて話し合いました。

その中で、反社会的勢力に対する法律による制限と同じような形で非人道的兵器製造企業への投融資についても同様の制限ができれば銀行も変わるのではないかという意見等がありました。

さらに、より詳細な評価方法について質問があり、田辺氏からFair Finance Guide Japanの公式ホームページ(http://fairfinance.jp/)に評価基準についての詳細な記載がある等の回答がありました。

(本セミナーの協力団体であるNGO非戦ネット賛同人のヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子氏)

 

今回は、17名の方にご参加いただきました。積極的なたくさんのご質問をいただき、グループトークでも活発な意見交換が行われ、非常に活気のあるセミナーとなりました。

参加者のみなさま、誠にありがとうございました。

 

私は、ボランティアとしてこのA SEED JAPANで活動しており、今回がイベント企画への初挑戦でした。イベントを実施することの難しさを実感すると共に大きなやりがいを感じました。みなさまのお力をお借りしながら、私のような20代の若い(?) ボランティアスタッフでもイベントを企画できるというのがASJの大きな魅力だと思います。

また、イベントを通して自分たちの活動を広めていく、よりFairな社会を実現していく方法を実感することができました。

Fair Finance Guide Japanは実効力のある、広める価値のあるコンテンツだと思います。なぜなら、銀行が私たちの預金をどのような企業に融資しているのかを可視化することで、幅広い分野のNGOやNPO、そして多くの金融機関と協力して、社会問題を改善できるようになるためです。

さらに預金とは多くの人にとってとても身近なものであるため、自分自身と直接かかわりのある問題として話し合うこともできます。

 

A SEED JAPANでは引き続きFair Finance Guide Japanに関する活動を実施してまいります。

今後の活動にぜひご期待くださいませ!

 

A SEED JAPAN では一緒に活動していただけるメンバーを募集しています。詳しくはこちらから!

 

※本セミナーは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金からの助成を受けて開催しました。

2016-09-02