A SEED JAPAN 主催の農業体験ツアー。 
               
              8年目をむかえる今年は9月1日〜4日にかけて、参加者33名(内6名はスタッフ)と山形県新庄市と戸沢村を訪れました。 
               
              今年のテーマはタイトルにもあるように、「つながる」でした。 
               
              都市と農村、消費者と生産者という、日常生活では互いにつながりを感じにくい二者が交わることによって、次の世代のために新しいなにかをつなげ、エコアクションを起こそうという目的のためにツアーを行いました。 
               
             
            
             
               
              ★9月2〜3日 山形県新庄市 
               
              参加者にとってのツアーは本番の一週間前の事前勉強会から始まりました。そこで新庄・戸沢や日本の農業事情の基礎知識を持ってもらうとともに、参加者どうし、参加者とスタッフの交流を深めました。 
               
              そして本番。9月1日夜10:30に新宿を貸し切りバスで出発。次の日の活動に備え一同は、早々に眠りにつきました。 
               
              9月2日早朝に深い霧が立ち込める山形県新庄市に到着。2日の午前はジャガイモ畑で芋ほり。 
               
              午後には自分の生活の現在地と理想の位置をマッピングし、次にスタッフの新規就農希望者山口と山形県長井市の伊佐沢共同直売所で働く井口さん(元ASJエコ貯金チームメンバー。昨年移住)、都市と農村をつなげるプロジェクトを企画するNPOトージバの神澤さんの三者によるパネルディスカッションを行いました。 
               
               
             
            
             
               
              その後温泉に入り、おいしい郷土料理をネットワーク農縁の皆さんと作って食べました。夕食後は、ネットワーク農縁の生産者・高橋さんとスタッフの山口による座談会。そのまま、ネットワーク農縁のお百姓さん数名を交えて交流会へ。 
               
              お百姓さん、都会から農縁に引かれて移り住んだ佐藤愛子さんらの熱い思いに感動した参加 
              者も多かったようです。 
               
              9月3日はみんなでツアーを振り返り、それぞれのエコアクションを考えました。ツアーを通して得た情報や、知り合った人達との「つながり」は都市に帰っても消えることはないので、ぜひ自分にできることを始めてほしいです。 
               
               
             
            
              
            ★ 9月3〜4日 山形県戸沢村 
               
              今年はオプションツアーとして新庄ツアー終了後に、新庄の隣の戸沢村にも行ってきました。参加者は新庄市から引き続き参加の9名に2名加わり11名。 
               
              過疎化が進む中山間地域の戸沢村では、地域固有の伝統や自然を「よそもの」のパワーをかりて、住民自らがその価値を再発見し、次世代に伝えていこうと活発に活 
              動しています。いわゆる「地元学」ですね。 
               
              角川里の自然環境学校の事務局スタッフ出川さんのコーディネートで、地域の取り 組みを見学・体験しました。 
               
              戸沢村では、枝豆の収穫&採った枝豆で郷土料理作り。ログハウス・山道・畑の学校などのフィールド見学。ビオトープや地域の自然と文化、人を観察する地元学体験。格納庫の土台作り(?)。などなど、 
              広い平地の新庄市とはまったく逆の山間地の風景とぷち地元学をゆっくり楽しみました。 
               
              戸沢村の人たちは私達を温かく迎えてくれました。宿泊は民泊。地元のみなさんが振舞ってくださる食事はおいしい! (けれど食べきれないほどで、減量中の私にはこたえました) 
               
               
             
            
                ★ツアーを終えて 
            今回のツアーは「つながる」でした。スタッフ一同はツアーまでに何回ものミーティングを重ね、「つなげる」ための企画・ツアーを作ろうとしました。 
               
              実際ふたを開けてみると(ツアー本番になってみると)、意識の高い参加者ばかりで、私達スタッフが想像した以上にスムーズに世代間、地域間、想い… さまざまなものがつながり始め、連鎖していくように見えました。 
               
              参加者の意識や想い、新庄市のお百姓の伝えたい気持ちとメッセージ、戸沢村でお世話になった方々の地元への想い、スタッフの「つなげたい」という気持ち、そして新庄市の田園のある広い景色や、戸沢村の最上川と遠くの山々の見える豊かな風景。 
               
              それらは全てちょっと見方を変えれば、簡単につながりえるものでした。「つながる」ことは決して難しいことではありません。私達スタッフはそのほんのきっかけを作ったに過ぎませんでした。 
             
               
                           
               
               
               
               
               
              大事なことは、ツアーに参加したり、関わった方々がその「つながり」を普段の生活に持ち帰って大切にしてくれることだと思っています。 
               
              そしてその「想い」を「カタチに」していくことだと思います。 
               
              もうすでに帰ってからアクションを起こしている方もいます。ぜひ参加者のみなさんには、ツアーをきっかけになにかエコアクションを始めてくれることを願っています。 
              
                                                             (文責:松村) 
               
               
              ▼ネットワーク農縁 
            ▼NPO法人 トージバ 
            ▼伊佐沢共同直売所 
            ▼角川里の自然環境学校 
               
             
             
               
              
             
            ■2006年度 つながる☆次世代農ツアー下見報告 
                
                             
              
             
              6月の下旬、9月に行う「つながる☆次世代農ツアー」の下見に行ってきました。 
               
            <下見一日目@新庄> 
            下見初日の昼過ぎに新庄に到着。 
              ツアー当日に宿泊する青年センターの見学。 
              青年センターは山の上に建っていて、遠くの山まで広い景色が見えました。 
            その後、大豆畑に移動。農家さんの指示の元、大豆の除草、中耕、土寄せを体験。 
            非常に天気がよく、晴れ渡る空と大きな雲のしたで、3反歩(約30×100メートル)の畑をきれいにしました。 
               
              私達のへたくそな耕運機の操作にも、農家さんから「大豆の苗は踏んでもいいけど、怪我しないようにね。体が一番大事だから」とやさしい一言。 
               
              畑の上でゆっくりと日が傾くのを感じつつ、下見スタッフは農家さんと交流しました。 
              
            
              
            作業後、温泉で疲れをとり、おいしい蕎麦を食して、農家さんたちと交流・ツアーの打ち合わせ。 
              日頃都市で生活している私達スタッフには、新庄の農家さんたちから話や意見・要望は少し厳しいものに感じました。 
               
              「農村で生活する」「農家として生きる」ことについてのリアルな話は、私達の都市での生活では想像できるものではありませんでした。あこがれる様な田舎暮らしとの大きなギャップがありました。 
               
              農家さんが何度も強調していたこと、それは 人と人とのつながりが大切だということ。それを大切にしているからこそ、今まで農業をやってこられた。 
               
              それが、生産者と消費者がつながるためにネットワーク農縁が今に至るまで大切にしてきた、一番の要素でした。 
              
              「つながる」ことの大切さ。ツアーのテーマを再認識しました。 
              
            
              
              
            <下見二日目@戸沢村> 
            新庄から車で走ること約40分。戸沢村に到着。 
            新庄が広くて工場や都市も見える開けたところなのに比べ、戸沢村は最上川の流れる谷沿いの村で、中山間地域の典型といったところでした。 
            ここではまず、ビオトープ&棚田の横にピザ焼き釜をレンガ造る作業の手伝いをしました。 
              ツアー本番には完成しているので、ツアーではピザ釜でパンを焼いて食べたいです。 
            戸沢村では、多くのビオトープを見学しました。すでに出来上がったビオトープは非常に完成度が高く、蛙やトンボなど生物が生息していました。ビオトープを上流につくり、棚田に流れる水を豊かにきれいにするという試みでした。地元の小学生の造ったビオトープや田んぼもあり、地域の取り組みがよく分かりました。 
              
                                 
              
            山の上に建てたログハウスを見学。これが、ありえないくらいのいい景色で…。 
              下見スタッフ感動でした。このログハウスでは、普段は地元の少年達が集まる時に使うそうです。 
              
                    
              
            戸沢村では、村人ではない「よそ者」の力を借りて、地域にある伝統や自然の価値の再発見(地元学)を行っています。そして、それを次世代の若者に伝えようとしています。 
               
              この様な中山間地域の村では仕事が少なく、若者達が都市へ流出して行きやすいのです。しかし、地域のよさを再発見することで地域を活性化させ、新たな産業が生まれれば、若者達も仕事を得られ、都市への流出を減少できるでしょう。 
               
              戸沢村見学は、地元の高校生と共に周りました。見学したビオトープや棚田、ログハウスはみんな、彼ら若者達の力で造られたものでした。こうして若者自らが参加して地域を活性化して産業に結びつけることが、中山間地域の戸沢村の未来に必要となるのでしょう。 
             
               
                      
             
               
              私達スタッフは、穏やかで美しい中山間地域の風景に感動しきりでした。山も川も集落も、ビオトープや棚田もログハウス、さらにそこに住む人たちも含む全てが、都市にはない素晴らしい風景でした。 
               
              山をバックにした少年達は絵になっていました。彼らがいなくなったら一つの景色が失われてしまうでしょう。この景色を守るために活動している人たちに出会い、その取り組みを見て感じることができました。 
               
               
              「ないものねだりよりもあるもの探し」 
              綺麗な戸沢村で素敵ななにかを見つけに行きませんか? 
             
               
                                                      (文責:松村) 
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