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スピカ・麦の穂訪問記 (7月11日)

「夢」を持っているにも関わらず、それを達成するのに十分な融資を受けられない。
「スピカ・麦の穂」経営者の降矢恭子さんも起業時にそのような壁に直面しました。
しかし、恭子さんは様々な工夫を施すことによって起業資金を集め、見事起業することができました。
今回は恭子さんのユニークな起業資金の調達方法を紹介しようと思います。

 

−コンセプトが一貫した内装・外装・味−

東急池上線の長原駅から風情のある商店街を通り抜けていくと、小さいながらも独特の存在感を漂わせつつ、しかし周囲の町並みと順応しながらスピカはありました。

店舗の奥にはガラス張りのパン工房があり、職人の技を堪能しつつ安心してパンを選べるようになっています。入り口周辺にある食事場所とコミュニケーションスペースを兼ねた白いテーブルにはお客さんの感想ノートがあり、溢れんばかりにびっしりと文字が書き込まれていました。

天然酵母の香りに包まれ、独特の重量感を持ったスピカのパンは、天然素材の持つ生の食感と味わいをもたらしてくれる一方で、余計な味がせず、あっさりとして口の中にしつこく残りません。パンを口にしていると奥の工房から、今回取材をさせて頂く降矢恭子さん、その人が現れました。

 

−支え、育ててくれたスピカ債−

「パンを切り口にして全ての人の生活を見直したい。」

開業前に説明会を開催し、恭子さんがそもそも持つ考えの同調者に一口10万円の「スピカ債」の購入希望者を50人集め、合計500万円の起業資金を獲得しました。スピカ債の大きな特徴として、利息(5%)をパンで充てているという点が上げられます。この突飛なサービスによって、起業資金調達のためだったスピカ債は、結果として当初の目的以上の成果が得られました。

「常に50人の目があるから中途半端な仕事は出来ない。」
「スピカ債権者はチェック機関。味、宣伝方法など様々な点に意見してくれた。」
スピカ債は経営を支えるためには重要なものであったことは間違いないですが、それだけではなく、スピカを育ててくれるものになりました。

 

−夢を支援する市民バンク−

起業資金のうち、自己資金とスピカ債を合わせても足りない部分を、恭子さんは市民バンクから借りました。

市民バンクとは、1989年に永代信用組合(当時)と(株)プレス・オールターナティブが提携し、発足した社会性のある事業に対して融資する金融の仕組みです。一般の金融機関は主にその企業が現実的に採算の合うモノを売るのか、という観点から事業報告書などの各種書類を評価します。

一方で市民バンクは、その企業が社会的に意味のあることをするのか、そして、その企業者がそれに足る固い意志を持った人か、といった点を、ヒアリングや現場訪問、そして東大名誉教授篠原一さん、フォーク歌手の山本コータローさんなどの著名人で構成される評議会を通して評価します。

「普通の銀行が見る事業報告書は『算数』、市民バンクの企業計画書は『国語』。市民バンクは『数字』に表れない『人』を見てくれました。」
一回目の融資の後、恭子さん自身の強い希望で市民バンクから2回目の融資を受け、今では十分な社会的な(数字的な)信頼性を獲得し、信用金庫からの融資を受けています。

 

−社会の「面」の中心 スピカ−

スピカはパンを販売するだけではなく、「シンキン」という楽器の演奏会から酸性雨の実験まで開催する人間関係の連結点となり、まさしく社会的なパン屋さんとして活動中です。

「人は一つ一つ『点』でしか存在し得ないが、点が繋がることによって『線』になり、多重に繋がることによって『面』になる。そのような繋がりを大切にして商店街全体を盛り上げていきたい。」

現実の壁は厚く、「夢」を実現するのは難しいかもしれません。 しかし、強い意志があれば叶う、強い意志がある人には十分な支援が与えられる、そんな社会であって欲しい。そして、夢を持つ人たちに現実的な支援がなされる「お金の流れ」を作り、夢が溢れる社会を作っていきたい。そのモデルケースとして「スピカ・麦の穂」を提案します。

 

< 「スピカ・麦の穂」の起業時の資金調達の割合 >

 
スピカが受けた出資型融資
一般の金融機関の融資
スピカ債
市民バンク
信頼獲得方法 個人的な繋がりと説明会の開催> 起業計画書(人物優先) 事業報告書(実利優先)
利率 5%相当のパン 6%(現在は一般的に約1.7%) 約5%(現在は約2%)
調達総額

500万円(10万円を50口)
・・・> 実際に50口が35人

600万 無し

 


スピカ・麦の穂

〒142-0064 東京都品川区旗の台5−28−13 シュロス旗の台1F
TEL・FAX 03-3788-5536
営業時間 11:00〜19:00
定休日 月曜・火曜
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