【開催報告】第2回ESGウォッチ勉強会「ESGファンドとSDGs・気候変動」

Bookmark this on Google Bookmarks
はてなブックマーク - 【開催報告】第2回ESGウォッチ勉強会「ESGファンドとSDGs・気候変動」
このエントリーをはてなブックマークに追加

ESGウォッチチームは、2022年2月13日に「ESGファンドとSDGs・気候変動」をテーマに第2回勉強会を開きました。
参加者は、スタッフを含め14人で、大学生や社会人、中には高校生など、さまざまな方に参加して頂きました。
参加した動機についても、ESGファンドを勉強したい方や、環境問題に興味がある方、SDGsに興味があるといったようにさまざまでした。
勉強会では、オープニング(団体紹介およびESGとは何かの説明)、グループセッション、全体セッション、質疑応答、クロージング(ESGウォッチからのメッセージ)、そして最後に交流会を行いました。

1.オープニング:ESG投資って何?

オープニングではA SEED JAPANの団体のミッションと行動指針を紹介しました。ESGという言葉を何となくは知っているものの、具体的な定義が曖昧という人もおり、投資、特にESG投資の重要性について説明しました。
ESG投資とは、従来の財務情報に加えて環境・社会・企業統治の非財務情報も考慮した投資のことで、今後の投資に必要であると注目されています。近年はESG投資信託の設定数が増え、地球環境や社会問題に関心がある個人が気軽にESG投資をできる選択肢が広がった一方で、実態がESGと異なるものも存在する可能性があります。
そこで、私たちESGウォッチチームは、人々が本当の意味でのESG投資をできるように、問題意識を持って行動していることを説明しました。

 

2.グループセッション:“ESGファンド”の目論見書を読んでみよう!

グループセッションでは、3つのグループ(A~C/3~4人ずつ)に分かれ、それぞれ異なるESGファンドの目論見書を「自分が本当に投資するとしたら」という目線で読み込みました。そして、「自分が本当に投資するとしたら」という目線でチームごとに気づいた点などを話し合いました。
目論見書とは、投資信託について、投資判断に必要な重要事項を説明した書類のことで、食品の成分表示のようなものです。ファンドの目的や特色、手数料、運用実績などが記載されています。
グループごとに話し合い、その内容を発表し共有することを通じて、参加者からは「自分のお金を投資信託で運用させるにあたって、倫理的に使われているかどうかを考えさせられました。今までは、銀行選びなどは、深く考えず、適当に選んでいましたが、ちゃんと選ぶことの重要性を、改めて実感しました。」、「運用額が想像以上に膨大な金額で、それはつまり、環境への影響もそれだけ大きいということだと思うので、よりしっかりと選ぶことが必要だと感じました。」といった声が寄せられました。

3.全体セッション:実は自然環境に悪影響?

そしてESGウォッチチームから、それぞれのファンドに含まれている企業が、実は自然環境に悪影響を与えていたり、労働者の人権侵害につながっていたり、様々な問題をはらんでいる事を紹介しました。
例えば、かほ(ESGウォッチメンバー)は、グループAが見た「アムンディ・環境・気候変動対策ファンド」に関して、「バイオマス発電は『バイオマス=カーボンニュートラル』という誤った考えに基づいた見かけだけの汚いビジネスである」というアメリカのNGO、Dogwood Alliance の主張を引用して、このファンドが抱えている問題点(ファンドのバイオマス発電関連の企業が含まれている点)について指摘しました。
「バイオマス発電はCO2を排出しないもの」と思われている事が多いのですが、実際には発電の資源となる植物が吸収したCO2と同じ量を排出しており、さらには森林伐採や土壌浸食などの問題を抱える、といった内容を紹介しました。
また他のファンドには、過去に人権侵害で告発されている会社や、動物福祉上の問題(動物を不当な扱いで飼育する、など)と関係がある会社がなど、さまざまな問題を抱える会社が存在していることが明らかになり、勉強会の参加者は、それぞれのファンドの問題点について理解を深めました。

4.最後に:情報を鵜呑みにしない大切さ

最後に、ESGウォッチチームの目標と正しくESG投資をするための提言を発表し、第3回勉強会が終了しました。

私たちESGウォッチチームは、市民(個人投資家)がESG投資に関する十分な知識と金融リテラシーを身に着けること、目論見書に書かれている情報を全て鵜吞みにするのではなく、疑いの目を持って選択することが必要であると考えています。
なお、勉強会終了後の懇親会には参加者のほとんどが参加しました。勉強会に参加したきっかけや自分の問題意識を語り合うことで一人一人のことをより知ることができ、交流の場になりました。
今回の勉強会で、参加者にESG投資についてより興味を持ってもらえただけでなく、ESGウォッチチームにもさまざまな気付きをもたらしたという点で大きな意義があったと思います。

次回勉強会開催日程

次のESG投資の勉強会は6月25日(土)10:30-12:00です!
http://www.aseed.org/2022/05/8077/

ESG投資についての説明のほか、今、世間の話題になっているウクライナでの戦争についてESG投資の視点で考えていきます。
少しでも興味がある方は、是非参加してみてください!

2022-05-26