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Johannesburg Summit 2002  

成功と失敗の事例から学ぶ
〜地域から活動を起こす方法〜
プラタップの視点と戦略

(米国:プロジェクト・アンダーグランド)

 

   社会的公正を求める環境NGOであっても、常に公正で、正しい視点を持てるわけではない。プラタップの話は、失敗と成功の事例より、新しいオルタナティブな活動のあり方を模索しているNGOの姿にみえた。

    「サンフランシスコの活動家の多くは、企業がサンフランシスコにあるということで、ナイジェリアの石油会社シェルの問題に興味を持って批判活動をしていた。でも残念なことに、サンフランシスコ郊外のアフリカ系アメリカ人の地域を巻き込まなかったために成功なかったんだ」プラタップは企業を監視するNGOの役割りを以下の三つに分けて説明している。

(1)企業の動向をモニターする。
(2)企業の不法な行いに対して変わるよう批判活動をする。
(3)生き方のオルタナティブをコミュニティーの人たちに提案する。

 

 

   「企業の動向を探るには、その企業よく知る地元の住民との連絡のやり取りは不可欠。そして、彼らの多くは、その企業に関連する職についている。彼らにその企業に依存しない、新しい生き方を提案できなければ、その批判運動は成功しないよ。」 プラタップは、企業への批判活動には、地域からきた活動、もしくは、地域をうまく活用することが重要であると主張する。そして、彼の働く熱帯林行動ネットワーク(APEN)では、地域住民に直接働きかけることで、住民自らの意思で、企業に対して批判活動を行っていくようなあるひとつのプロジェクトが行われた。

   それは、リッチモンドのアジア系住民の地域で、十代の少女たちをターゲットに、ワークショップで劇を教えるという手法を用いたものだ。劇のテーマは、彼女たちが興味を持つような、恋愛の話、そして、その地域の話題。その地域の環境汚染の問題や、マイノリティー地域で主に、社会問題として取り上げられるような麻薬、非行、妊娠のこと。「様々なテーマを織り交ぜることで、みんなが興味を持って取り組める。また、自分たちの地域の社会問題を学ぶことにもつながるんだ。そして、劇を作り上げていく中で、いつの間にか、共通の意識を持つ組織が成り立っていくんだ。」
   実際に昨年、その地域の工場で爆発が起きた時、訓練を受けた少女たちはすべて、工場の外で批判活動している活動家たちに加わっていったそうだ。

   「もし、僕たちが何年もかけて、その地域に根付いた活動をしなかったら、少女たちは、批判活動をはじめるような一歩を踏み出せなかったと思うよ。それは、とても長い時間をかけた方法だけど、だからこそより持続的で、地元の住民の協力に結びつく。そして、住民を巻き込むことにより、前のような間違いを犯さない方法でもあるんだ。」

   時として、自分たちが主張するよりも、地域を巻き込むこと自体が、活動として重要になる。それも新しい活動のあり方であると感じた。

 

 

アクションのススメ
〜メディアアクション〜

   「なぜメディアは、私たちの関心に興味を持つのか、キーは、『コンフリクト』(混乱、衝突)なんだ。もし抗議の手紙をメディアに書けば、メディアは多少の興味をひくかもしれない。デモを起こせばさらに関心を持つかもしれない。メディアの本社を爆破なんてしたらさらに興味を持つだろう。その段階にいくと悪者になってしまうけど。」

   数々の、派手なアクションで、民衆や、メディアの注目を浴びてきたプラタップ。メディアをどうしたら自分たちの味方にできるのか。その答えは、意外にも企業の広報戦略にあった。

   「マツダとフォード、ペプシとコカコーラ、ナイキや、リーボックなどのように、企業はお互いの『コンフリクト』により、消費者の購買意欲をあおることもある。企業がNGOの『コンフリクト』を利用して、自らの宣伝に用いることもある。また、企業が有名人や、知名度の高いものでアピールするように、NGOも、そういった人やものを活用することで、メディアの関心をひくことができるんだ。僕たちは、『コンフリクト』を利用して、環境によい影響をもたらすものを提供しなければならない。」

   そして、インターネットの普及により、NGOにとって、新しい活動の場が提供された。「インターネットが普及するまでは、情報は発信するツールを持つ、テレビ局やラジオ局、新聞社などに選択の権限が限られていたんだ。しかし、今やコンピュータと電話回線さえあれば、NGOは、自らがメディアをつくりあげ、自由に情報を発信していくことができるんだ。」

   一昨年のシアトルでのWTOの抗議活動の時、インディペンデントメディアセンターというNGOのメディアが、ウェブサイトではじまった。活動家たちは、ウェブサイトを時には新聞のように、時にはラジオステーションとして、またはデジタルビデオを使って映像を流すなど、フルに活用したそうだ。インターネットは、NGOに自由で平等で、そして安価な、広報活動のオルタナティブを提供してくれる。大量の情報を牛耳る企業に対抗できる新しいアクションツールだと私は感じた。

 

プラタップ推奨ウェブサイト
 
Grobal Arcade:
「世界遊技場」「スーパーマリオ」のパロディ「マリアシスターズ」ではシリコンバレーの労働者問題がゲームに。他にも「遺伝子組み換え」「貿易」など、1テーマにつき1つ、家族で楽しめるゲームが用意されています。要所にちりばめられたファクトシート、用語解説、関連団体リンク、被害者インタビューなども合わせてお楽しみください!!
ゴア・ブッシュ:
16曲の替え歌がダウンロードできる(要shockwaveかreal sound)大統領選特別サイト。ビートルズやサイモン・ガーファンクルの名曲が森林・原子力問題のパロディーに。アルとジョージのフレンチキス写真をスクープ!政治家を企業が買って大統領をつくるゲーム「ワシントン・モノポリー」もどうぞ!
コーポレートウォッチ:
世界の市民、メディアから絶賛される企業情報サイト。世界上位200企業を徹底監視。
コーポレートウォッチ(日本語版):
日本でも有数のラディカルな企業情報サイト。ここの情報を材料に、どんどん企業権力をパロディ化してしまおう。
黄金・欲望・虐殺:
ゴールドラッシュからはじまる先住民に対する企業支配「環境レイシズム」について
独立メディアサイト:
市民によるメディア。多くの団体や、ジャーナリストがつくるオルタナティブ・メディアの集合サイト
プロジェクトアンダーグラウンド:
 

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