4 企業へ貸し出されたお金は東京へ
さて、次に企業に貸し出されているお金はどのように使われているでしょう。
下の図は各都道府県の銀行について、預貸率(=貸出金/預金の比率)をみたものです。
この図から分かるように、預貸率が1以上、すなわち貸出金が預金を超えている地域は東京のみで、
他の県はすべて貸出金が預金を大きく下回っています。
結局、地方で銀行に預けられた預金は、一部は地方へ環流するものの、
かなりの部分が東京の企業のために貸し出される、ということが分かります。
図 都道府県別預貸率
さらに、具体的に銀行がどのような企業に貸し出しをしているかを見てみましょう。
次の表は、代表的な都市銀行の大口融資先を上位12位までまとめたものです。
消費者金融の大手、大手商社、電力会社といった大規模企業に多額の融資がなされていることが分かります。
90年代末に銀行の中小企業に対する「貸し渋り」が問題となりましたが、それは90年代末だけの現象ではなく、
今も続く時代の潮流と言うことができます。
この流れが進めば、地域にお金は更に回らなくなり、東京と地方の格差は広がるばかりです。

表 大手都市銀行の大口融資先
資料:金融ビジネス2004年4月号
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