実際の流れ

1.コンセプト企画づくり(ボランティアの役割、ねらい)

94年にこの活動を始めてから数年はボランティアがイベント会場内で発生する資源物である「缶、ペットボトル、発泡スチロール製品」を拾って回収することを目的に行ってきた。ところが数年経つと来場者がその光景になれ「ボランティアが回収してくれるから、自分は何もしなくていい」という声が聞かれるようになり基本的なコンセプトを変更せざるを得えなくなった。97年から会場内をボランティアが巡回して資源を集める事をやめ、ごみ箱前での分別を促す活動へと切り替わってきた。来場者が自分のごみをいっさいがっさいに入れごみ箱に捨てに行くとボランティアがごみ箱の中で笑顔で踊っており、来場者に袋の中のごみを分別するように促すナビゲート活動がメインの作業になってきた。そして、翌年の98年からは来場者へ自分のことは、自分でやって貰おうと入場ゲートでのごみ袋の配布を始めた。そうすると主催者やメディアの評価が変わってきた。ボランティアが他のスタッフや警備員と違って、元気で、明るく、楽しみながら活動していることで会場全体の雰囲気を和やかにさせている、というのである。ボランティアが会場にいることで、主催者と来場者の橋渡しをしているというものであった。この橋渡しは、スタッフや警備員には到底できないものであった。

ボランティアの役割は資源の回収ではなく、ピースキーパーである。資源回収やリサイクルはツール、手段でしかない。10万人が集まるこのイベント会場のごみがすべてリサイクルされても日本のごみ問題の解決にはつながらない、しかし、10万人の人びとが変われば、それは社会変革の大きな一歩である。

2.主催者・制作関係者への理解をもとめる

イベント開催前の4ヶ月前から数回にわたるミーティングを主催者、制作関係者と持つ。この作業は私の役割だ。まず、個人的な信頼関係を作るようにしている。担当者というよりもそのイベントの最高責任者と対等な関係で話ができるよう心がけている。この段階で下請け業者に成り下がらないように肩肘張って対応している。そして、次に行うのが管理や命令で動くアルバイトではなく、自発的に活動するボランティアというジャンルについて理解していただくことだ。商業イベントの世界に数百人のボランティアが入ることは今までなかった。アルバイトでもない、観客でもない、全く新しいタイプのポジティブスピリットを持ったスタッフ、それがボランティアだ。

3.ボランティア受け入れの準備(人数、待遇)

主催者と交渉する前に具体的な提案を団体内で議論しながら作成する。

特に大きな商業イベントの場合を例にとって見よう。

必要なボランティアの人数を決め込む。野外イベントの環境対策活動を行うボランティアの人数は、来場者数の1%がおおよその目安である。3万人なら300人といった具合だ。正確には会場の大きさ、広さ、来場者数、演奏時間、実務作業とアピール度との兼ね合い、ボランティアの活動時間などを考慮して人数を決める。正確な募集定員は会場の下見をすることで活動のイメージを膨らませ決めていく。

次にボランティアの待遇だ。ボランティアといえども会場運営スタッフとして活動していただくのが私たちの活動の特徴なので、基本は、交通費、食事、宿泊は当団体で持つというものだ。交通費から見ていこう。会場までの交通手段の確保を考える。FRFの場合は、会場が新潟県湯沢町なので東京・新宿駅からの専用バスを往復の手段として考える。都内などの中心都市での開催の場合、会場までの公共交通機関がある場合は交通費は支給しないが、公共交通機関がない場合は大抵チャーターバスを主催者の負担で用意していただく。会場に到着してから出発までの間に必要な食事はすべて支給する。イベントにおけるスタッフの食事の基本は弁当だが、可能であれば、暖かいものを提供したいのとボランティア自らが選べるように会場内飲食ブースで使用できる「食券」を主催者にお願いする。

ちゃんとした宿泊所に泊まる場合は社員食堂などで食事ができるように配慮している。食堂か、弁当か、食券かは正直言ってケースバイケースだ。何が一番というものはない。弁当の場合は、暖かくない反面ボリュームがあるし、活動を共にしたチームごとに食事ができるというメリットがある。食券の場合は1枚¥500という券の金額が決まっているため何でも好きなものが食べられるというわけでもない上に来場者と一緒に並んで買うことになり、時間がかかり、チームのメンバーがバラバラになってしまうというデメリットもでてくる。

宿泊を伴うというケースも最近は増えてきている。2つのケースがある。数日間の日程で行なわれるものと、オールナイトで行われるものだ。フジロックフェスティバルなどのように会場が苗場プリンスの敷地内にあるような場合は、近隣の民宿か、社員宿舎を利用し、4人一部屋の宿泊を用意している。また、オールナイトでぶっ通し音楽がなっているような場合は、会場内に仮設のテントを立て、そこに畳を敷き、寝袋を持参して頂くか、会場内にあるスタッフ用の宿泊設備を利用している。活動内容がハードな分だけ、以上のような移動手段、食事、宿泊を必ず用意している。

待遇というわけでもないが、ボランティア活動を行ったという証に記念品を出すようにしている。多くの場合はボランティアが着るスタッフTシャツだ。当然、販売されていないものなのである意味プレミアグッズになる。フジロックフェスティバルの場合はリーバイス提供のTシャツで、フジロックフェスティバル、リーバイス、そしてA SEED JAPANのロゴが入るカッコイイものを着ていただき、差し上げている。

ボランティアに活動を楽しんで貰う為には音楽が聞ける自由時間をしっかり取るようにしているが、このことは募集要項などには明記していない。 

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4.ボランティアの活動内容

フジロックフェスティバル(以下FRF)などの大きな商業音楽イベントを例にとって活動内容を紹介しよう。私たちの活動は大きく分けて、でてしまったごみの分別リサイクルとでる前にごみを減らす二つの活動がある。

A. 観客への分別の呼びかけ(通称:ごみゼロナビゲーター)

総勢300人のボランティアを会場内にある25カ所のごみ箱前に配置し、来場者やスタッフなどが捨てに来るごみの分別を呼びかけている。来場者の代わりにやってあげるのではなく、あくまでも捨てに来た人々に分別を促す。そして、リサイクルの重要性を呼びかけ、ペットボトルのキャップを外すなどのアドバイスを直接行う。各ごみ箱で収集されたペットボトルや空き缶、発泡スチロール製トレー(以下発泡トレー)などの資源物は、環境対策本部に集められ、その後リサイクルされる。

B. ごみ袋の配布

タワーレコード(株)の協力により作成した特製ごみ袋を会場入口で来場者に配布し、会場を立ち去るときにごみ袋として利用してもらえるように呼びかけている。また、このごみ袋にメッセージを印刷し、リサイクルの重要性や資源回収キャンペーンへの来場者の自主的な参加を呼びかけている。イベント期間中の3日間で15万枚配布をする。

C. 「自分のことは、自分でできる」キャンペーンブースの運営

来場者の主体的な参加を促し、資源リサイクルの意識を高めるための参加型キャンペーンを行っている。ここでは特製ごみ袋にペットボトルを5本以上入れてキャンペーンブースに持参し、簡単な環境問題のクイズに答えるとTシャツやバンダナなどのグッズが当たるという仕掛けを用意することで、来場者が楽しみながら自然にリサイクルに参加できるようなシステムを実現させている。3日間で3,000人以上がこのキャンペーンに参加する。

D. リサイクルする

A SEED JAPAN環境対策本部の設置されているテントの一角に、環境問題に取り組む企業が、デモンストレーションを行うスペースを設けた。企業の協力で、発泡トレーのリサイクルを行う減容器を設置し、ボランティアが分別回収してきた発泡スチロール製容器を軽く水洗いした後、柑橘系の果物から抽出した液を使ってその場でゲル状にするという作業を実演してもらう。この水洗いの作業が結構大変であるが、リサイクルに必要な重要な作業である。同じように会場内で集めてきた使用済み割り箸から竹製品を取り除き、箱に詰めるという作業もある

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5.ボランティア募集の広報

ボランティアの募集はイベント開催のおよそ3ヶ月前から行うようにしている。FRFの場合は、開催が7月末日なので4月中旬からだ。イベント自体の開催が決定すると、事務所に問い合わせの電話がなり始め、昨年参加したボランティアからの問い合わせも増え始める。参考資料(1)にあるように活動概要、イベントの紹介、活動内容、団体紹介、申し込みのステップ、説明会、打ち上げパーティ、注意事項、そして申し込み書を記載したA3サイズ裏表4ページの募集要項を作成する。中途半端な状態で募集をかけないようにしている。必要な情報をすべてそろえてから募集要項を作成し、A SEED JAPANの会員に優先的に郵送する。そして、数週間後に過去に参加したボランティアや一般に公開募集する。これだけでも十分ボランティアは集まるが、新しい参加者が加わった方が感動も生まれやすいことからA SEED JAPANの活動会員が友人などに手渡しする。これだけの募集で定員180人に対し3倍以上の応募がある。会員に優先的に情報を送ってもその会員が募集要項をコピーして非会員にあげてしまうので、今年から会員用と非会員用の募集要項を作る方向で検討している。最終的に決定通知を出すのはイベント開催のおよそ一ヶ月前である。新規の応募者が6割に対し、4割程度がリピーターである。

イベント自体の知名度が高いことも理由の一つだが、楽しいボランティア活動とボランティアの充実感を提供できていれば口コミでボランティアは集まる。福祉介護ボランティアなども重要なボランティア活動だが、私たちのようにボランティア活動の入り口的な企画もボランティアという言葉が普及していく中に必要な側面である。

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6.ボランティア説明会でつたえるメッセージ

私たちは活動前の説明会をいくつかの理由から大変重要視している。私たちの活動はイベントのためのボランティアではなく、イベントという楽しい場を使ったボランティア活動である。まず、事前の説明会を行うことで活動自体のクオリティーの確保とボランティアの安全面の確保ができる。当日イベント会場に来ていきなり活動に参加するのでは、アルバイトと同じで指示されて行う活動になってしまう。説明会では、活動の目的、趣旨をしっかりと理解していただき、ボランティアとしての「自発性」「自主性」を引き出した活動へとつなげることができる。逆にボランティアの立場で見ていくと、事前にしっかりとした活動計画や主催団体を知ることでの安心感を得ることができるであろう。そして、説明会に参加することで、他の多くのボランティアと出合う機会も得られる。私たちとしても活動前から顔の見える関係を作ることができるのだ。また、イベントに無料で参加できるという遊び的な考えは通用せず、しっかりとした活動計画があることを知ってもらい、遊ぶ時間と活動自体の住み分けを提示できる。十分に取ってある自由時間を知ってもらい、その代わり活動自体はボランティアというスタッフとして、イベントに参加するという心構えを持ってもらうのである。

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7.ボランティアリーダー、コアスタッフの役割(ボランティアコーディネーター)

ボランティアをとりしきるボランティアコーディネーターを私たちは「コアスタッフ」(ボランティアの上にいるのではなく、中心にいるという意味で「コア」)と呼んでおり、そのコアスタッフには3つの役割がある。

1つは、クオリティの確保だ。ボランティアだからといっていいかげんにやるわけにはいかない。A SEED JAPANの活動のコンセプトを理解し、ともに作り上げ、はじめて参加するボランティアたちに、その意味を伝えていく。直接来場者と関わり合いをもつボランティアのすぐ後ろにいる存在で、まさに、コーディネーター役だ。

また、コアスタッフはコミュニケーション役でもある。私たちの活動にはトランシーバーが欠かせない。トランシーバーは意志疎通の重要なツールだ。広い会場のなかで唯一コミュニケーションできるツールだ。コアスタッフとはいえ、まだまだ社会経験は少ない。情報を共有し、即時に判断しないといけない。「ほうれんそう」、という言葉をA SEED JAPANの活動では徹底されている。「ほうれんそう」とは報告(ほう)、連絡(れん)相談(そう)のことだ。また、トランシーバーはコアスタッフのほとんど全員が聞くことになる。会場のどこがピンチで、どこにゆとりがあるのか、だれがどの状況でどういう判断をしているのかについて、全員が知ることになる。トランシーバーを聞くだけでも新人コアスタッフは充分に勉強になる人材育成のツールとしても重要なのだ。私たちはかならず主催者にかけあって、コアスタッフ分の業務用トランシーバーを確保し、コミュニケーションツールとして存分に活用している。

もう1つは、ボランティアとともにあるということだ。ボランティアのお兄さん、お姉さん役である。ほとんど同い年で、わけへだても少ない。ボランティアの声を直接聞き、安心させてあげる大切な役割だ。コアスタッフには、ボランティアと同じ目線でいられる姿勢が重要だ。ボランティアが踊っていたら、コアスタッフもいっしょに踊ってしまうぐらいのノリでいるからこの活動は面白い。

ちなみに私たちA SEED JAPANのコアスタッフの半分は女性だ。これは、イベント業界ではありえないことだ。イベント業界の特質もあるだろうし、日本の社会の背景も反映してのことだと思うが、A SEED JAPANはこの状況を変えていこうと考えている。「人を見下さない社会」「男と女が対等な関係を築ける社会」を私たちは目指しており、2001年度の活動テーマは「Respect ! Others」(他人を尊重する)だ。

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8.チームで動くということ

ボランティアには、かならずチームで動いてもらうようにしている。チームを組むことの意味は大きい。なにより、チームで動くことで連帯感や仲間意識がうまれる。同じ困難や同じ作業を体験することで、大きな充実感を生むことができる。僕たちの活動は単にごみを処理することが目的ではない。こうやってボランティアに参加した人たちが各地で活発に活動していけるようになることも目的だ。そのためにチームに参加してもらい、ともに活動していく状況をつくる。

チームを組むときには色々なことを気にかける。人間関係や、年齢、ボランティアの経験、男女比などを考えながらチーム編成を考えていくのだ。時には、社会人のチームに学生のリーダーをつけることもある。社会人だからといって、必ずしもリーダーに適しているわけではない。年齢だけがリーダーにとっての重要なファクターでないことを伝えるという意味をもたせることもある。これもひとつのこだわりだ。チームに属することで出会いが生まれてくる。その出会いが生涯の友に発展することもあれば、恋人に発展することもある。フジロックフェスティバルなどのイベントが終わった後に、チームごとに集まって飲み会を開いたんですよ、などという話しを聞くこともある。僕たちが呼んでもらえるわけではないのだが、そんなしらせを聞くととてもうれしくなる。まさに私たちはそういう場を提供しているのだ。

ボランティアでもなんでもそうだが、「楽しい」というのは、一人だけで楽しいわけではない。仲間は困難や悲しみを半分にし、楽しみや喜びを倍にしてくれる。チーム制を敷くことでもちろん、運営側がコーディネートしやすいという側面もあるが、チームが引き出すさまざまなよい点こそが、私たちの活動を面白くしているんだと思う。

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9.活動シフトをつくる

実際の活動は全員のボランティアが同時に行うわけではなく、シフトを作り、早番、遅番に分けて行う。フジロックフェスティバルの場合は会場自体が大変広く、且つ、全体の活動時間が長いためかなり複雑になる。他のイベントでも必ず2つ以上のシフトを作り、ボランティアを割り振る。シフト(A)が活動しているときは、シフト(B)は休憩や自由時間で、シフト(B)が活動しているときは、シフト(A)が休憩や自由時間となるようにしている。コンサート自体の時間にもよるがイベントの開始から終了まで必ずボランティアがごみ箱前に付けるように工夫をしている。また、早番の人々は朝の6時から夕方の4時くらいまで活動を行う。途中に休憩や食事時間はもちろんのこと、自由時間も4時間以上作り、疲れさせないような活動づくりに勤めている。遅番の場合は、10時から20時という感じになる。フジロックフェスティバルの場合だけだが、「ナイトスタッフ」という夜動く班を作り、昼間は自由時間として遊んでいてもいいが、夜の20時から朝の4時くらいまで活動していただくというシフトもある。このシフトに当てはめる前に総勢200人以上のボランティアを男女比、年齢比、個人・団体参加を考慮しながら約10人一組のチームを編成する。

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10.ゴミ箱の位置とボランティアのメリット

入場ゲートから一番遠いステージまで歩いて40分はかかる約150万平方メートルの会場に28カ所のごみ箱が置かれ、そのごみ箱前で分別ナビゲートの活動が行われる。ごみ箱は目立つところに配置する。当然、来場者から見える位置に配置しないと意味がない上に私たちの活動のアピールになる。もう一つこだわっているのは、そのごみ箱に立つボランティアのメリットだ。例えば、ごみ箱からステージが見えればボランティアの活動は一層楽しくなる。ボランティアが活動を楽しくでき、来場者とのコミュニケーションが図れるようにごみ箱の位置もこだわりを持っている。

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11.安全管理

ボランティアが沢山集まると、けがをすることもある。300人いれば2~3人は病院につれていくはめになる。日射病、日焼け、刺し傷、擦り傷、ころんでけがをするなど野外においておこるけがは数多い。ときには酔っぱらいのけんかにまきこまれる可能性もある。自然のなかで炎天下のなかで、ごみをさわるので、どうしてもけがが起こったり、炎症が激しくなることもある。できるだけ安全管理には気を配っている。安全管理のステップとしては、かならずコアスタッフが下見をしておくということだ。

また、ボランティアが会場にはいってからも下見をする。救護テントがどこにあって、どこに水道、トイレがあるかなどを確認するわけだ。また、ボランティア説明会では、細かく危険性について伝える。どこでどんな危険がひそんでいるのかを具体的に伝えるのだ。たとえば、空き缶やペットボトルを足で踏んでつぶす作業などもでてくる。そのために持ち物として、軽登山靴や丈夫なスニーカーなど、足回りを充実させるようにアナウンスしている。また、雨具や防寒具、日焼け止め、に、水筒、サングラスなどなど持ち物にも気を付けるように注意をうながす。もちろん万一けがをしたときのために、ボランティア保険に入っていることを伝え、安心感を伝えている。

チーム制をしいているが、チームリーダーがかならずしもチーム全員の疲れを判断できるわけではない。その気配りをコアスタッフが行うのである。スキューバダイビングなどからヒントを得たシステムだが、私たちは「弱い人」に会わせた安全管理を行うようにしている。ボランティアには、必ず無理をさせず、疲れが見え始めたら全員を休ませることもある。特に、雨がふりそうなときや、急に気温が低くなってきたときなどは健康を第一に考え、すべてのシフトを中断して、全員を休ませることがある。夜はさわがずしっかりと眠るように促している。一日だけの活動ならまだ我慢できることもあるだろうが、3日間もつづく場合もあるので、体調管理には、その日ごとの休憩や睡眠がとても大切だ。ボランティアのみならず、コアスタッフも同様だが、体調が悪くなって「楽しい」と感じられる人はいない。僕たちが大切にしているのは、楽しむことへのこだわりなのかもしれない。

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12.ともに達成感を味わう

数百人で行うボランティア活動の重要な結果として欠かせないのが達成感や充実感だ。「ちりも積もれば山となる」一人ひとりのボランティアの地道な活動の成果が集まって、本来廃棄されるはずのごみの40%~70%をリサイクルすることができるのである。この事をボランティア自身が気が付けるように様々な配慮している。

必ず、朝みんなで「おはよう」を言い、活動開始時にみんなでかけ声をかける。各チームが勝手に流れ解散することなく、終了時の「お疲れさま」もみんなが集まって全員で行うようにしている。そうすることでボランティア全体の連帯感が増し、一人ではなく、みんなで行っているという気分になる。そして、この活動をコーディネートする側の責任として、みんなの成果を数字に表し、どれくらいの量が資源に回りリサイクルされたのか、何人の観客数に対して、何人のボランティアが何時間活動したのかを明確に伝えるようにしている。

もちろん活動を終了したら必ず数週間以内にボランティアの為の打ち上げパーティを企画実施している。この打ち上げ時にも、リサイクルされた資源の量、主催者やマスコミの評価などを伝え、ボランティアのみなさんあっての活動であることへの感謝の気持ちを伝えている。私たちは、本当に、心から、主役はボランティア一人一人であると考えているからだ。

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13.交流会と次なる活動へのいざない

私たちは、ボランティアに来てくれる人を対象に、当日の事前・事後に交流会を開くことにしている。説明会という緊張した場とは違い、交流会ではうちとけた雰囲気をつくることができる。交流会はたいてい、いわゆるクラブでのパーティが多い。クラブとは音楽を聴いて踊る場だ。私たちの活動と音楽とは切り離せない。クラブには音楽を流す機材がそろっているし、イベント会場では走り回っているコアスタッフが、DJとして皿を回す(CDやレコードをかける)こともある。こういう演出をすることで、イベント会場ではゆっくりと話しができないコアスタッフとボランティアが仲良くなったり、うちとけることができる。僕たちの活動は基本的に信頼関係を大切にしている。こうやって事前に顔が見える関係をつくることで、当日気持ちよく活動ができるのだ。

また、A SEED JAPANがもつ「こだわり」や「メッセージ」を知ってもらうよい機会にもなる。たとえば無農薬の野菜や、健康や環境にこだわった食べ物や飲み物を出すことで、ふだんはそんなことを気にかけていないボランティアの若者に、少しなりともメッセージが伝えることがでる。無農薬の野菜を勉強会を通じてつたえていくのではなく、実際に食べてみて「うまい!」と思ってもらうことで、本当の理解がえらえるんだと考えている。そのためにも、クラブという音楽があり、食べ物にこだわりをもてる場所で開催しているのだ。もちろんクラブのマネージャーに事前に話をし、自分たちのこだわりを伝えておくことは忘れない。

また、ボランティアのなかには、友人などといっしょに申し込んでくる人もいるが、けっこうひとりで申し込んでくるひとも多い。彼らを孤立しないようにきっかけをつくってあげる必要がある。ボランティア同士が、仲良くなり、出会う場として交流会を企画するのだ。たとえば、イベント当日の写真などを持ち寄って交換する場所としたり、再会し、さらなる次の活動を生み出す場としても交流会は機能している。

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14.対等な関係が大切

【私たちのパートナーとは!】

これからの社会を担う若者の意識が変わらないことには、今私たちの目の前に立ちはだかっているさまざまな問題を乗り切ることはできない。では、その若者を惹き付け、主体性を引き出すためには、どうすれば良いか。

まずは、若者自らが参加して楽しいと感じる場でなければならない。そこで私たちが活動のフィールドとして選んだのが、音楽イベントである。音楽のある場で、しかも野外という開放的な場でアピールできることは多くある。音楽イベントもそのコンセプトはさまざまだが、現代の主流文化に対してオルタナティブ(代替の方法/もう一つの道)を提案するようなイベントを対象としているのも、私たちの活動の特徴である。

【主催者とのパートナーシップ】

多くのNGO、NPOにとって行政や企業との対等な関係を作ることは重要となる。イベントの主催者の多くは企業・行政などであることから、私達はイベントにおける環境対策の実施のみならず、それぞれの企業とのパートナーシップの実現を目指している。それには環境という視点にとらわれず、その企画の経済側面やイベント全体のコンセプトはもちろん、多方面における互いの協力・配慮・理解が必要になる。多くの場合、主催者である企業の責任者と直接会い、互いの関心事、目的、制作におけるポリシーなどの意見交換を念入りに行い、部分的なコミットメントに終わるのではなく、共に事業を作り上げるパートナーとして互いを尊重できる関係を築くよう努力している。

【ボランティアとのパートナーシップ】

私たちの環境対策活動は沢山のボランティアに支えられている。多くは無料でイベントに参加できるという動機から参加を希望する人が多いが、そのような動機でも私たちの活動の重要なパートナーであり、そのボランティアと楽しみながらイベントに貢献できる仕組みを私たちは作り続けている。

ボランティアが行う作業はごみに直接触れる「3K」(きつい、きたない、くさい)の仕事だが、音楽イベントではこの様な作業も全員で行う楽しい活動へと変化させることが出来る。またその中で、ボランティアというものに対する抵抗感を取り払うことも私たちの狙いである。

講師派遣のご案内講師派遣の様子

実際に学びたいという団体がございましたら、当団体では講師派遣を行っておりますので、事務局までご連絡下さい。

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