【開催レポート】このデンキがヤバい!2018シンポジウム ~SDGsがヤバい!気候変動・エネルギー編~

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A SEED JAPANは、12月9日に、このデンキがヤバい!2018シンポジウム ~SDGsがヤバい!気候変動・エネルギー編~を開催しました。
A SEED JAPANでは、2018年2月にA SEED JAPANが独自の基準で選んだヤバい電力会社・厳選3社を発表しました。8月には広島県芸南地区にメンバーが訪れ、石炭火力発電建設が地域に及ぼした問題をヒアリングしてきました。石炭火力発電の問題を目の当たりにし、若者を中心としてみんなでデンキについて考える機会を持ちたいという思いでこのシンポジウムを開催いたしました。当日は実際にエネルギー問題に取り組んでいる学生・社会人、再エネ事業者の方のお話を聞くことができ、会場にいる人たち一体でエネルギー問題について考え直すシンポジウムになったと思います。以下で当日の発表・ディスカッションの様子をご報告します。

第一部「気候変動は待ったなし!現場からの最前線トーク」
1.広島県石炭建設問題に関する寸劇と、ビデオメッセージによる若者からの問題提起
A SEED JAPAN エネルギーチーム(寸劇)

A SEED JAPANのエネルギーチームが8月に広島県の芸南地域で行ってきた現地ヒアリングをもとに寸劇を行いました。この寸劇の台本は、実際に20年以上前に反対運動を行ってきた市民が作成したものをリメイクしたものです。実際に寸劇を演じたA SEED JAPANメンバーまなみんのコメントを載せます。

まなみん:
私たち、A SEED JAPANのエネルギーチームは今年の8月に広島県の芸南地域という石炭火力発電所が密集している地域に実際に足を運び、発電所建設が地域社会に与える影響について調査を行なってきました。この地域では、住民と電力会社との間で激しい闘いが繰り広げられてきました。実際に現地で当時反対運動に携わっていた地元の方々からお話を伺う中で、皆さんが口をそろえておっしゃっていた言葉がいまでも忘れられません。「今でも熱い思いはあるけれども、誰に言ったらいいかわからない」、「言いたい気持ちを言えていない」。そこで私たちは、この場を借りて芸南地域の方々の思いを何とか形にできないかと思い、このような劇をご用意させていただきました。エネルギー問題に向かって取り組まれている各団体の方々や若者たちにも私たちが現地で感じた様々な思いをお伝えできればと思っています。今とは時代も違い、抱えている問題も違うかもしれませんが、この劇を通して、皆さんの心に何か残るものがあれば幸いです。

坂本祐太氏(Climate Youth Japan)よりビデオメッセージ

「大崎上島で行ってきた環境系、再エネ系の活動報告を元に、一人の大学生が考える電力の未来」
1.調査で判明した石炭火発・メガソーラー、それぞれの問題点とは?
広島県の大崎町にある石炭火力発電所とメガソーラーについて、その実態を調査し、それに関する提言を大崎の市役所、中国電力に対して行いました。まずは石炭火力発電所とメガソーラーに関する調査報告をしていきます。
初めに、石炭火力発電所の大崎発電所についてお話しします。発電所の発電方法はIGCC規格(安倍政権のクリーンコール政策による多額の投資によりできた規格。石炭火力の中でもレベルが高い)です。この発電所には2つの問題点があり、1つは環境問題、もう1つは採算性です。2つ目の問題点採算性について詳しくお話しします。15年ほど前に建てられたPFBC規格(IGCC規格の1つ下のレベル)の石炭火発の発電所は追加的な設備コストとコントロールの困難さのために潰れました。そういった背景を持っているにもかかわらず、IGCC規格で、またCCS(※二酸化炭素を地中に埋める技術)も導入すると言われています。よりコストがかかるにもかかわらず採算性を担保できるか疑問が残ります。
次にメガソーラーの大串メガソーラー発電所に関して報告していきます。発電量は13.7MWです。事業者はウェストグループ、合同会社S/N/Pで広島県の市内に本社を構え、大崎上島の会社ではありません。このメガソーラーの最大の問題点は大崎上島が「損」をしていることです。再生可能エネルギーは分散型電源として地域主体での事業展開をすることにより、地域経済循環の付加価値等を含め、地域にとって重要な財源になるはずですが、それを実現できていません。メガソーラーの設備規模は大崎上島の全電力需要の54%にあたります。大崎火力発電所があるため、電力系統も土地もあるのに実際に大崎に落ちているのは賃借料の1350万円/年しかありません。

2.”経済”という言葉の延長線には、”生活”がある
住民に対する意識調査について強調しておきたいことは、住民に対する認知度・親密度を問う設問でわかったのですが、太陽光発電所よりも石炭火力発電所のほうが認知度・親密度が大きいことです。なぜなら、再エネの地域経済循環の付加価値よりも、住民が価値を見出している点は、中国電力が島に人を連れてきたことにあるからです。つまり、住民にとっては地域経済への付加価値より住民数の増加の方が明らかに見えやすく、「経済的価値」として実感しやすいということであり、現状では中国電力の石炭火力発電所の方が太陽光発電所よりも”地域に根ざした電源”といえます。
一方でまた、住民からは「中国電力の石炭火力発電所が「うちらの海」を汚すようなら、まったく別の話やで。」という意見もいただきました。これは、「”経済”という言葉の延長線には、”生活”がある」ということを意味しているといえます。この示唆は市民との合意形成の重要性に関してだけでなく、それ以上に改めて「再生可能エネルギーを「作る人」と「使う人」との関係性における、主観視と客観視の重要性」を代弁してくれるように感じました。分散型電源の推進には従来の既存電源に反発するだけでなく、新たな価値観を形成していくことが必要です。

3.「デンキをつくること・つかうこと」が町の未来を決める
電力の「事業者」と「消費者」、この関係性を再定義することが重要です。「デンキをつくること・つかうこと」が町の未来を決める、ということを新たな哲学として説明していきたいと考えています。この提案を環境教育のアプローチに加えることで、地方創生の枠組みを利用して、プロジェクト色の強い環境プログラムの一環として行なっていきたいと考えています。
大崎上島には石炭火力もあり、太陽光もあります。そして島であるため、モノ・カネの流出流入がはっきりしています。そして大崎上島は教育の島としてブランディングをしており、様々な取り組みに対しても需要があります。そこで、上記のような教育プログラムを大崎上島から始めてみるのはいかがでしょうか?
ー坂本さんの大崎上島の再エネ普及に対する熱い思いがプレゼンから感じられました。

2.今、ヤバいデンキを選ぶために知っておくべき気候変動のリアル
桃井貴子氏(気候ネットワーク)

年々、異常気象を伴って深刻化している温暖化。その一番の原因と言っても過言ではないのが石炭火力発電です。既存の石炭火力発電所のうち、2012年以降に出てきた新規建設計画だけを数えても50基あります。動いているものをやめようとしている中で、高効率であることを理由に新規建設計画があがっている日本では、2050年以降も石炭火力発電所が残っていく見込みです。イギリスをはじめとする先進国は、遅くとも2030年までには石炭火力発電所をゼロにする計画を掲げていますが、そのときに日本は石炭火力発電所の設備容量が最大規模になる見込みで、世界の潮流に逆行した動きを取っています。
なぜ日本で石炭火力発電所建設の計画が増えているのでしょうか。第一の理由は政府が推進しているということにあります。第五次エネルギー基本計画の中でも、石炭火力はベースロード電源として明記されています。第二に、建設に伴い環境アセスメントの実施が義務付けられていますが、2013年の法改正により簡易化され、ほぼ意味のないものとなっていることが挙げられます。石炭は今のところ燃料費が安く、日本では炭素税をつけるという措置が取られていないため、事業者はその安さに乗っかって建設を推し進めているのだといえます。
一方、世界に目を向けてみると、どうでしょう。2018年11月末には、オーストラリアの学生たちが学校を休んで、政府に向けて気候変動への対策を求めたスクール・ストライキを起こしました(英メディアGuardianによる記事:https://www.theguardian.com/environment/2018/nov/30/climate-change-strike-thousands-of-students-to-join-national-protest)。COP24の開催に伴って世界では市民運動が活発化しているうちの一例とも言えると思います。

実は、日本にも、市民の努力が実を結んだ例があります。四国電力が、仙台港で石炭火力発電所を計画していたのですが、市民が反対運動を続けた結果、2018年4月10日に建設計画からの撤退を発表したのです。

「(横須賀における石炭火力発電所建設計画は)差し迫ってはいるけれども、まだ間に合う事案だと思っています。ぜひ住民の方達と共に戦っていきたいと思います。」
ー「まだ希望を捨てる段階ではない」市民運動を長年支えてきた桃井さんはそう力強く話を締めくくり、会場を勇気づけるました。

山下海州氏(横須賀火力発電所建設を考える会)

そもそも横須賀火力発電所の計画って?
横須賀火力発電所は横須賀市久里浜にあります。事業会社は株式会社JERA(東京電力と中部電力が50%ずつ出資して設立された会社)です。
石炭火力発電建設の目的は、10年ほど前に運転を停止した石油火力発電所に代わる新しい火力発電所を作るためです。
石炭火力発電を選定した理由は、LNGによる発電所を作るにはコストと環境負荷が大きいためです(「基地および受入バースの整備、あるいは総延長 30km 以上にわたるガス導管敷設のどちらかが必要」となります)。石油による発電所を作ればいいかというと、(「石炭利用拡大に関するIEA宣言」により)国際機関から国際的に禁止されているため不可能となります。こうした理由から、仕方なく石炭を使う、というのが事業者側の説明です。
発電所のタイプはUSC(超々臨界圧プラント)です。CO2の排出率が一番低いIGCCと比べて、発電効率が若干悪いです。1号機、2号機それぞれ65万kw、合計出力130万kwです(福島第一原発の2号機、3号機がそれぞれ約70万kwですので、比較的大規模の発電所ということがわかります)。

直接的問題:CO2排出だけでなく、有害化学物質による汚染問題
では石炭火力発電所の何が問題といえるのでしょうか。CO2の排出はもちろんのこと、PM2.5や光化学スモックの原因物質でもある硫黄酸化物(SOx)・窒素酸化物(NOx)、煤塵、水銀といった重金属など、様々な有害物質が地域に飛散し、地域を汚染します。また、建設予定の地元地域にかぎらず、例えばPM2.5は、横須賀から飛散して首都圏一帯を覆うほどにまで広がることが予想されています。

二次的問題:本来の問題に気づきにくい構造
石炭火力発電がこうした影響をもたらすことになるにもかかわらず、横須賀在住の方の多くが建設計画の存在を知らずに過ごしています。気候ネットワークとグリーンピース・ジャパンが2018年9月に行なった、横須賀で計画されている石炭火力発電所の建設について横須賀市やその周辺自治体に在住している1000人を対象としたアンケートで75%の人がこの問題を知らないということがわかりました。また、仮に建設計画を知ったとしても、誤った認識を持つ人が多く、発電所が及ぼす悪影響に気づきにくい状況となっています。「電気が足りないからつくるんでしょ」「石炭火力は原子力よりいいじゃん」「古い物より新しく建てるものの方がいいに決まってるじゃん」…これらが人々の率直な意見でした。そのため、地域住民の方達は、建設計画の存在は知っていても、それがどういった問題なのか気づけないでいるのです。

「温暖化が進んだ世界をこれから生きるのは、私たち若い世代と、その孫たちの世代であり、今(温暖化を)止められなかったらいつ止められるのだろう」
ー山下さんは自身の危機感をそう語ります。「問題についてもっと知って、『石炭火力発電所って本当によくないんだって』と伝え広めていただくことが大事です。そして、反対の声をあげていくために、署名活動もやっていますのでその署名をお願いしたいです」。明確な問題意識を胸に活動する山下さんの話は、参加者の心にアクションの火をつける力強いものでした。

(詳細はこちら→https://nocoal-tokyobay.net/2018/11/11/yokosuka-syomei/

第二部「SDGsもヤバいのなんの!新電力トーク」
新電力アンケート調査報告と、エネルギー企業担当者に学ぶ新電力のリアル
報告―小売電気事業者の社会的責任に関するアンケート報告(A SEED JAPAN)

A SEED JAPANはパワーシフトキャンペーンにも参画しています。小売り電力市場の大部分を占める大手の小売電気事業者の社会性について見ていく中で、より環境や社会に配慮していただくように促していく必要があるのではないかということも議論してきました。そこで、大手の小売電気事業者のうち販売量上位20社を対象に、社会的責任、環境や地域への配慮に関するアンケートを実施しました。今回の回答状況としては、サミットエナジー株式会社のみの回答となっています。以下で質問と回答の一部を紹介させていただきます。
Q:電源構成について目標を達成するにあたりどのようなことに重点を置いていますか?
A:1.安定性、2:価格、3:環境社会

Q:再生可能エネルギーについて供給するにあたり障害となるものは何ですか?
A:FITの仕入れ価格が高いこと
会社によって障害は違ってくるようで、仕入れ価格が高いということに関して大手の会社であってもやはり課題になるようです。

Q:最もインセンティブになるものは何ですか?
A:消費者のニーズ
つまり私たちが再生可能エネルギーを選ぶ意思表示をしたり、そういったニーズを示したりしていくことでサミットエナジー社は今後変わっていく可能性があります。

Q:石炭火力発電について、パリ協定、建設における訴訟問題、ダイベストメントの動きが
ある中で、どのような経営上のリスクがあると考えていますか?
A:現在稼働している石炭火力は国内に1基のみです。世界的な気候変動が進む中で、石炭  火力発電所の建て替え等が困難になれば、エネルギーの安定供給が難しくなると考えら  れるものの、経営上のリスクは限定的です。

Q:石炭火力発電について、経営リスクを回避するために、どのような対策を実施・検討
されていますか?
A:エネルギーの安定供給が困難になる可能性を考慮し将来的に石炭火力発電所の運転が
継続していけるか慎重に検討していきます。

Q:大規模再生可能エネルギー開発について、地域社会や周辺環境への負の影響に対して
どのようなリスクマネジメント方針を定めていますか?
A:十分に地元地域への説明を実施しております。
CSRレポートや方針として明記されていないため、どのようなコミュニケーションを取っているのか、今後しっかりと確認していく必要があります。方針と実態とのギャップの有無については、もし無いということであれば素晴らしいことですので、もう少し確認を進めていきたいと思っております。

社会的責任に関するこのようなアンケート調査の回答を過去に求められたことが、新電力事業者にはほぼ無かったため、驚かれた企業も多かったように思います。こういったアンケート調査とは違いますが、A SEED JAPANでは別の形を使って企業の社会的責任の調査を実施したことがありました。当団体もキャンペーンをの一翼を担うフェア・ファイナンス・ガイドでは、企業に対してアンケート調査を実施するという手法ではなく、社会的責任に関する独自の評価項目をNGO側が用意し、大手金融機関を評価するという手法を取り、そこから企業との対話の糸口をつかんでいきました。こういった手法も参考にしながら、今後はより電力事業者との対話の機会を作っていきたいと考えています。
(アンケートに関する詳細はこちら→http://www.aseed.org/2018/10/6528/

ゲスト―パワーシフトな電力会社:みんな電力 上山翔氏


みんな電力株式会社はA SEED JAPANが独自の基準で選んだヤバいデンキ3社のうちの1つです。みんな電力社のヤバい3つの理由についてお話しいただきました。

1. 正義感よりも不純な動機と面白さがある
みんな電力の代表の大石氏が起業にいたった経緯についてお話しします。まだ大石氏がみんな電力を起業する前、電車の中で携帯の充電がなくなりそうで困った状況になったときに、目の前に座っていた女性が小さなソーラーパネル付きのキーホルダーをつけていました。もしも、このキーホルダーから電気を買うことができれば、この女性と話すきっかけになります。誰でも電気を作れる時代なのだから、このように電気を違う「つながり」に活かしていけば面白いのではないか。この発想がみんな電力を起業するきっかけになりました。つまり、正義感だけではなく不純な動機のような(笑)、自分自身が面白いと思うか、社会に対して面白いことができているのかということを大事にしているのがみんな電力となります。
みんな電力は小売部門で法人のお客様だけでなく個人のお客様に対しても電力切り替えをご提案しています。ただ正義感を全面に押し出すだけではどうしても壁が生まれます。いくら環境にいいと伝えてもなかなか響かない人はかなりいますが、そういった人たちに対しても訴えていかなければなりません。そのため、みんな電力では面白さが大事ということでいろんなことに取り組んでおります。例として、風車を作るイベントやZOZOTOWNとのコラボ、TBSラジオとのクリーンパワーキャンペーンが挙げられます。このように、環境保護一本矢ではなく、「面白さ」・「楽しさ」のような社会に広く受け入れられるような手法も取り入れつつ、事業を進めています。

2. 作り手が見える!「顔が見えるでんき」
電力自由化の前は、どの発電所で作られている電気かわからなく、選ぶこともできませんでした。しかし、現在は月々の電力料金の支払い先を選べる時代になりました。みんな電力では、「顔が見えるでんき」というコンセプトを打ち出し、このことをお客様に伝えています。その特徴のひとつとして、「応援制度」があります。これは、みんな電力に電気を供給する発電所と電気を使用する人とをつなぐことで、生産者と消費者がお互いに顔が見えるようにするという仕組みです。現在70か所ほどの地域や企業や再エネの発電所がみんな電力に電力を供給して、その電力をみんな電力が一般の家庭までお届けしています。ホームページで応援したい発電所を選んでいただくと、月々の電力料金の支払いの際に100円が発電所に届けられます。そして、応援いただいたお礼として、特産品や地元の畑でとれた野菜をご家庭にお届けするという仕組みです。中には、厳密にどの発電所から電気を使っているのか知りたいという方もいるため、現在みんな電力では、ブロックチェーンを使って、発電所で作った電気と実際に使われる電気をマッチングするということに挑戦しています。これは日本だけでなく、おそらく世界でも、電力会社としては初の取り組みでして、みんな電力は最近ようやく100%再エネで電気を供給することに成功しました。

3.電力事業は一事業に過ぎない?コールは貧困の解消!
現代は誰でもデンキを作って売ることができる時代です。みんなが電気を作って電気を売るという仕組みがあれば、1つの収入源にもなります。そういったお金の流れを生み出す仕組みがあれば、貧困などの格差の解消にもなりますし、富が分散されて日本は元気になるのではないでしょうか。
(みんな電力に関する詳細はこちら→https://minden.co.jp/personal/

第三部「このデンキがヤバい!若者フロアトーク」
環境・社会問題に取り組む若者による新たな対話のはじまり

進行:石原遼平(A SEED JAPAN)
・下村ゆり氏(350.org)
・天野遼太郎氏(FoE Japan)
・山下海州氏(横須賀火力発電所建設を考える会)
・村上茉奈美(A SEED JAPAN)

異なる団体からお越しいただいた次世代のメンバーが、環境問題、とりわけパワーシフトについてそれぞれの思いを話していただきました。

下村:横浜の戸塚にある善良寺で行われた、ビル・マッキベン氏来日記念の講演会に参加したのがきっかけです。そしてこの善良寺というお寺は、日本で初めてダイベストメント宣言をしたお寺にもなっています。「インパクトをたくさんの人に与えていこう」。350.orgの団体スタッフの方の言葉がすごく自分に響きました。社会問題とか環境問題に関して、自分の意見を持つことがますます求められるなかで、全くその通りだなと思いました。私は普段幼稚園で働いているんですけれども、何を選び何を大切に生きるのかを考えたときに、子供たちの未来を守りたい、命を守りたい、自然を守りたいという思いが原動力となっています。その意味で350の団体はとても刺激的です。世界188か国で自然エネルギーにシフトすることを願ってムーブメントを起こす人がたくさんいて、勇気づけられています。
ー下村さんの発表の中で、2018年4月にニューヨーク市が五大石油会社に対し訴訟を起こした事例も紹介され、これは5年間のダイベストメントを求める運動によって市長が動いた画期的な事例となりました。(詳細はこちら→https://www.mashupreporter.com/nyc-fossil-fuel-divestment/

山下:高校生ですので、電力を決めるのは親ですが、再エネを使っている電力に変えることが難しくなく、電気料金は高くならないなどの声を聞いて、パワーシフトを進めていきたいと思いました。

中でも村上さんと天野さんはすでに住まいの電気の購入先を変えられたとのことでした。ここにそれぞれの体験を紹介させていただきます。皆さんが今後パワーシフトをする際の参考にしていただければ幸いです。

村上:実家の電気を変えようということで、生協系の生活クラブエナジー(株式会社生活クラブエナジー )さんの電気を使うことに決めました。変えたのは、今年(2018年)6月ごろです。なぜ変えたかというと、私自身がA SEED JAPANで再生可能エネほルギーを広める活動をしているのに自分の家の電気変えてないのはあかんなと思ったからでした。パワーシフトって大事だという流れがあっても、いざするとなると面倒くさいとか、どこ選べばいいかわからないというのがあると思います自分もそうでした。当時は全然知識とかない状態でしたが、パワーシフトするからには原子力発電を使っていないっていう点と、再生可能エネルギーの割合が多いっていう点を軸に選びました。決めるとなったときは、あまり時間をかけないで一晩で決めるぞっと調べて決めました。

天野:私は、GREENaでんき(ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社)さんに変えました。再生可能エネルギー100%のプランを持っていたという点が決め手でした。実際には再生可能エネルギーは50%なんですけども、残りをグリーン電力証書(この証書を購入することで、再生可能エネルギーによって発電された電力の電気以外の価値、すなわち省エネルギー(化石燃料削減)・ CO2排出削減などの価値を購入するという形で再生可能エネルギー由来の電気を使用しているとみなす仕組みがある)を購入することでまかなう方式を取ってる電力会社さんです。再生可能エネルギー100%というところでいくと、みんな電力さんも取り組まれていると思うんですけども、GREENaでんきさんの場合には、電源が多様で、太陽光・風力・バイオマス・小水力・地熱っていう5つの電源を持っていて、これは新電力のなかではGREENaでんきさんだけだったんです。これから私自身も電源の多様化に貢献していきたいと思っていたので、そういう会社を応援するという意味でGREENaでんきさんに変えました。

会場の参加者の中にもすでにパワーシフトした人がいらっしゃり、体験談を共有するなど、インタラクティブな時間となりました。このように多くの人が、他人事ではなく、自らパワーシフトというアクションを起こす未来を創っていけるよう、A SEED JAPANのエネルギーチームはこれからも活動していきます。

当日の会場の様子をyoutube動画として公開しています。ぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=3V-7oyfYSIQ&feature=youtu.be

このイベントは環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催しました。

私たちと一緒に、持続可能な社会をつくるために活動してみませんか?
A SEED JAPANでは随時活動メンバーを募集しています。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
http://www.aseed.org/admission/
(ライター:かっぺ・さあや)

2019-01-20