山梨県白州町への現地調査 報告 vol. 7: 住民の方々の不安な気持ち

2011-01-30 | カテゴリー:現地調査報告 | キーワード:, , , ,

住民の方々の不安な気持ち。 

これが今回の現地調査で私たちが一番感じたものでした。

井戸から水が出なくなる不安。

大きな企業に対する不安。

企業と対話ができない不安。

法律や条例に対する不安。

そして、白州町で自分や家族が暮らしていけるかどうかの不安。

確かに企業は環境活動などで社会に貢献しています。

しかし、企業の活動が環境に影響を及ぼし、住民の方々が不安な気持ちを抱えながら生活しているという現状があります。

水源涵養林に関して、林業の方から見て不適切な点があるのも事実です。

それら企業にとって「負」の事実に対して目を向けて、向き合うことが求められていると思います。

それでこそ、企業の社会的責任が果たされているのではないでしょうか。

現状を改善していくために、私たちは「対話」の重要性を強く感じました。

住民の方々の不安な気持ちの原因の一つには、

「企業側が自分たちの質問に対してきちんと対応してくれていない」

という点があります。

専門用語ではぐらかされる、文章が残るメールでのやりとりはできないと言われる、など不十分な対応で、一個人と企業では大きさが違いすぎると住民の方々は感じています。

また、樋口さんは、「家に来るのは責任者ではなくて苦情処理班。その人にいくら言ってもしょうがない。」とおっしゃっていました。

きっと企業はその気になれば、住民の方の不安な気持ちに応えられるはずです。

私たちは企業と市民、さらに行政も巻き込んだ対話の場が必要だと感じます。

企業と行政のつながりも複雑なものと想像されますが、真剣に話し合うことが改善の第一歩となるのではないでしょうか。

現地調査でお話を伺った方々が共通して私たちにお話しして下さったのは、

「白州町に来てくれることが嬉しい。その点が企業とは違うところ。」

という内容のものでした。

白州町で地下水に不安を感じる人たちは、この問題を多くの人に知ってもらいたいと思っています。

いきなり制度や法律、そして企業の姿勢を変えるのも難しいかもしれません。

けれどもたくさんの人がこの問題に関心を持ち、それが広がっていくことでとても大きなパワーが生まれると思っています。

どうかみなさん、白州町で起きていることを自分の周りの人に話してみて下さい。

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