10月23日 御岳山水道施設スタディーツアー報告No.2

2011-11-19 | カテゴリー:現地調査報告

<御岳山水道施設スタディーツアー報告のつづき>

御岳山第三取水所


この取水所には、写真で見て分かるように、水の流れがほとんどありません。
では、どこで、取水しているかというと、写真の奥の方に流れている水が、地下に入り、
伏流水(川の地下を流れる地下水)となり、先に紹介した河鹿沢接合井に送られています。

第三号取水所から少し降りると、御岳山導水所がありました。

御岳山導水ポンプ所


ここのポンプ所は、次に紹介する御岳山第二取水所からの原水を
先に紹介した河鹿沢接合井に送るためのポンプです。
第二取水所は、河鹿沢接合井より標高が下にあるため、
河鹿沢接合井に送水するために圧力をかける必要があるので、
御岳山導水ポンプ所が設置されています。

御岳山導水所から、御岳山第二号所が見えました。

御岳山第二取水所

導水ポンプ所からしばらく歩き、
登山道を少し外れた所に御岳山第一号取水所がありました

御岳山第一取水所

第一取水所も構造は第三取水所と似たような構造をしています。
ここでも、水はほとんど流れていません。
先に述べたように伏流水となり、河鹿沢接合井に送水されます。

また、写真では、落ち葉がたくさん落ちていますが、
定期的に水道局の職員さんが掃除をしているらしいです。
写真を撮った日は日曜だったため、
職員さんが2連休でお休みだったために落ち葉が落ちています。

御岳山第一取水所における工夫

上の写真は、地上に流れている水を伏流水にするための工夫が隠されています。
流れの幅を広げることにより、水が地下に浸み込みやすくしてあります。

その後、ロックガーデンを散策しました。
先に取りあげた3か所の水源は、ほとんど水が流れていなかったのに対し、
ロックガーデンには、たくさん水があり、その水が綾広の滝を形成していました。

綾広の滝


川は、下流に行くほど水量が増え、上流に行くほど水量が少なくなります。
御岳山の取水所は、ほぼ川の上流部にあります。
したがって、もともと水量が少ないのです。
ロックガーデンから水を引けば、水量低下の危険性は、少なくなりそうですが、
集落が、山頂付近にあるので、地形的性質上、実現は困難なのです。

綾広の滝を見た後、天狗岩、七代の滝を見て、鉄の梯子、
終わりの見えない丸太の階段を登り切り、商店街に戻ってきました。

商店街

普段、慣れないことをしたので、メンバー一同疲れたので、喫茶店で休憩することにしました。
喫茶店に入り、席に座ると、水が出されました。

喫茶店で出された水

もちろん、これは、水道水です。
しかも、自分達が取水地から接合井、浄水所と
蛇口をひねって出てくるまでの過程を全て見てきた水道水です。
その水道水を飲んでいる…
もう、疲れなんか吹っ飛んでしまいました。
たった一杯の水でしたが、私にとっては、とても意味のある一杯の水でした。

普段、何気なく使っている水道水ですが、一体どこから取水され、どこの浄水所で処理され、
どこの配水所を経由して自分の家まできているかを知っている人は少ないと思います。

しかし、もしそれを知ることができたら、水道水に対する考え方が変わるかも知れません。
実際、私達は変わりました。

水が蛇口をひねって出てくるまでに、水道関係者がどれだけ努力しているか。
また、水源は、無限にあるものではなく、限りがあるもので、やたらむやみに無駄使いしてはいけないと思いました。

今回は水源WATCH!プロジェクト関係者だけのスタディーツアーでしたが、
今後は、このようなスタディーツアーを一般の方にもご参加していただきたいと考えております。
私達と水源について、一緒に感じ、考えましょう。

詳細は決定次第、水源WATCH!プロジェクトのホームページに掲載いたしますので、お待ちください。

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