第1回水銀会議報告~水銀問題の概要~

2011-02-10 | カテゴリー:水銀会議報告

初めまして!水プロジェクトに所属してる高校3年生のえーちゃんといいます。

この度、1月24日から28日まで開催されました2013年に制定が予定されている水銀条約のための会議、「第2回政府間交渉委員会」に参加してきたのでその模様を3回に分けて報告したいと思います。

今回は、今水銀のせいでどういう問題が起きているのかを説明します。

水銀とは原子番号80番、Hgの記号で表せられる元素です。

元素であるため元から地球上に存在し、常温常圧で唯一液体の金属です。

沸点が357度と低いので、そのため地下から上がってきたものが蒸気の形で岩石のすき間を上ってきます。環境中に自然に存在する水銀は、かなりの部分が火山に由来するといわれており、これが大気に放出され、雨に溶け込み、樹木などに吸収され化石になり、石炭などの化石燃料に含まれます。しかし、自然の循環程度では人間の生活を脅かすほどではありません。問題は何らかの原因で局地的に高濃度の水銀汚染が起こった時です。

一番大きい水銀排出源としては、化石燃料に水銀が含まれるので、火力発電です。

実に水銀全体の排出量の50%以上が火力発電による大気汚染と言われており、近年では火力発電による大気への水銀排出の割合は、アジアだけで50%以上と見積もられています。

それから蛍光灯や電気製品などの水銀含有製品の製造・廃棄・埋め立てでの排出、金の製錬過程での排出、他にも農薬やワクチンに含まれていたりと色々な排出源があり、大気や水系、土壌を汚染していくのです。

特に水系に排出された水銀は、ある微生物によって水銀を変質させ水銀よりも毒性の高いメチル水銀を生成します。またここでさらに問題になるのが食物連鎖による生物濃縮という現象です。生物濃縮とは、ある化学物質(この場合メチル水銀)の濃度が食物連鎖の中で高位捕食者に行くにつれて生物の体内で高くなっていくことです。その魚を食べると人間を汚染するのです。特に妊産婦の摂食による胎児への影響が危惧されています。それはつまり日本で過去に起きた公害、「水俣病」の発症プロセスのことです。今、「MINAMATA disease」と呼ばれるほど、「水俣病」が世界中で起きているのです。

次回は今回千葉で開催された「第二回政府間交渉委員会」について書きたいと思います!

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