水プロジェクトの考える“水問題”とは @すー

2010-10-23 | カテゴリー:現地調査報告 | キーワード:

近い将来、世界中が水不足になる

皆さんは想像できますか?
今、世界では水を巡って激しい争奪戦が起こっています。

環境破壊や人口増加などが原因で水不足に陥っており、
安全な水にアクセスできない人々を、ビジネスのターゲットとして見る動きが高まっているのです。

そして、真っ先に打撃を受けるのは、貧しくて水を買えない人々や
水辺を住処とする動植物です。

例えばインドでは、ペットボトル用飲料水を製造する工場の地下水の揚水によって、井戸が枯渇してしまいました(※1)。

なんと水不足のため、農業をするよりも、そのために必要な水を売ったほうが儲かるという地域があるほどです(※2)。

また、世界中で水道民営化が進んでいます。
企業は営利を求めるため、しばしば水質管理を怠っており、必ずしも安全とは言えません(※3)。
そして、水道料金が高く、貧困層が利用できない危険性があります(※3)。
貧富の差が、水へのアクセスという生命にかかわる問題に影響を及ぼすのです。

日本にも地下水の杜撰な管理という問題があります。
飲料メーカーなどは、水道水と違ってタダなため、地下水を大量に使っています。
水ビジネスによって貴重な水源が脅かされているのです。

しかし、日本には地下水を総合的に管理する省庁がありません。
しかも自治体によっては地下水の汲み上げに関する規制や条例がなく、土地所有者すら把握していないところもあります(※4)。
私たちが知らぬ間に、大切な水がどんどん失われようとしているのです。

水がないと、飲み水がなくなるだけではなく、食べ物をつくることもできません。
例えば、砂糖1キロをつくるのに3000リットルの水が必要だと言われています(※2)。
そして、家畜に与える餌を育てるためにも沢山の水が必要です。
世界で人が使用する水の総量のうち7割が農業用水のため(※5)、
水不足の地域は食糧不足になる危険があります。
また、日本の食糧自給率は約40%であり、世界で生産される農作物が減れば、私たちの食卓も影響受けるのです。
水不足は他人事ではなく、地球規模で起きている深刻な問題となっています。

このままでいいのでしょうか?

限りある水を次世代に渡って分かち合える世界にするために、
今すぐ行動を起こさなければなりません。

まず、水を巡る問題をよく知ることが大切です。
そして、私たちに何ができるのか一緒に考えていきましょう。
※ 1 India Resource Center
※ 2  フレッド・ピアス『水の未来』
※ 3 モード・バーロウ『ウォータービジネス』
※ 4 東京財団『日本の水源林の危機』
※ 5 沖大幹『FUJITSU飛翔』

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